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春川の旅[201709_03] - 夕陽に映える「昭陽江処女像」、そして猛烈にうんまい春川タッカルビの原型を味わう

前回のエントリーの続きです。 

昨年(2017年)9月の韓国・大田(テジョン)広域市、江原道(カンウォンド)春川(チュンチュン)市などを巡る旅の2日目(2017年9月2日(土))です。

「春川マッククスタッカルビ祭り」の会場をずっと散策していたら、日が傾いてきました。いったん祭りの会場を離れ、春川駅前の道路を北東へ向かって歩きます。

 

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駅から15分ほど歩いた場所に、写真の2本の大きな石が。
こちらは「春川槿花洞幢竿支柱」といい、寺院での行事の際に掲げる幢(タン)という旗を結んだ細長い竿を両側から支えるための石柱の跡です。石柱全体の整形技法や、支柱の間に置かれた竿台石(幢竿の受け石)にある蓮の花の彫刻手法などから高麗時代(918年~1392年)中期の作と推定され、韓国の宝物第76号に指定されています。最近は意識して、こうした文化財を巡るようになりました。

春川槿花洞幢竿支柱(춘천 근화동 당간지주:江原道 春川市 桂花洞 793-1。宝物第76号)

 

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幢竿支柱からさらに北東へ向かうと、先の途切れた橋のようなものが見えてまいります。こちらは「昭陽江スカイウォーク」といい、市内北部を流れる昭陽江(소양강:ソヤンガン)が衣岩湖(의암호:ウィアモ/ウィアムホ)へと注ぐ地点に築かれた水上展望台と、その通路の橋で構成されています。全長約174m。水面からおよそ12m上にある路面は強化ガラスになっているため、安全とはいえスリリングな体験ができるようになっています。

 

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この日は時間の都合でパスしましたが、前年(2016年)は無料開放中だったこともあり利用してみました。頭では大丈夫だと分かっていても、やはり足を踏み出す度にちょっとしたスリルがあります。入場に際してはガラスの表面を傷つけないよう、フェルト状の専用カバーを靴にかぶせて入場しなければなりません。またペットボトルの飲料を含め、飲食物の持ち込みは一切禁止です。
「昭陽江スカイウォーク」の営業時間は午前10時~午後8時30分(11~2月は午後5時まで)、年中無休。現在は入場料2,000ウォン(約210円:2018年2月現在)が必要ですが、それだけの楽しさはあると思います。

昭陽江スカイウォーク(소양강 스카이워크:江原道 春川市 桂花洞 8)

 

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スカイウォーク水上展望台のすぐ東側の水上には、写真の巨大な像「昭陽江処女像」が立っています。
こちらの像は、キム・テヒ(김태희)さんが歌った1970年のヒット曲「昭陽江処女」を記念して2005年に建てられたもので、同曲がエンドレスで流れています。写真3枚目は碑の土台側面に刻まれた「昭陽江処女」の歌詞です。

 

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夕陽に立つ昭陽江処女像。正面を見据えた視線、麦の穂を握った左手、風になびく韓服とオッコルム(옷고름:チョゴリの結び紐)、そしてまさに一歩踏み出さんとする姿勢。勇ましささえも感じる像が衣岩湖の夕陽を背景に立つ姿が好きで、どうしてもまたこの時間帯に見たかったのです。

こちらの「昭陽江処女像」、および前述した「昭陽江スカイウォーク」へのアクセスは、KORAIL京春線「春川」駅からだと駅前の道路を渡った向かいにある「春川駅」(춘천역)バス停から約15~20分おきにやって来る<150>番市内バスに乗り、3つめの「昭陽江処女像」(소양강 소녀상)バス停で下車、すぐです。もっとも春川駅からであれば私のように歩いても徒歩約20分(約1.3km)程度で到着できます。

昭陽江処女像(소양강 소녀상:江原道 春川市 桂花洞 8-1)

 

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余談ですが、この「昭陽江処女像」は春川市の公式キャラクター(写真1枚目)のモチーフにもなっています。 写真2枚目は後述する街路「明洞キル」にあった同キャラクターの像。この街路には他にもいろいろなデザインの像がありました。

  

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そしていよいよお待ちかねの夕食の時間。タクシーで春川の中心街である中央路(チュンアンノ)へ移動します。
やって来たのは1961年創業の「元祖スップルタップルコギチッ」。その名の通り、スパイシーな味付けのタッ(鶏肉)プルコギをスップル(숯불:炭火)で焼いて食べるお店で、2015年の初訪問以来、3年連続で訪れているお店です。
ソウルなど遠方からも訪問者の絶えない超人気店で、お店の前にはいつも30人前後の行列が。ペコペコのお腹をなだめつつ列につきます。

 

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そして50分ほど待ってようやく入店。余談ですがこちらのお店では列の先頭5人くらいに限り椅子が用意されており、この椅子にたどり着くと思わず笑みがこぼれてしまいます。
今回はいつもと同じ「ピョオムヌンタッカルビ」(뼈 없는 닭갈비:ピョオムヌンとは「骨なし」の意)を注文。1人分(250g)10,000ウォン(約1,000円:当時)。お店の名前は「タップルコギ」ですが、メニュー名はタッカルビとなっています。

 

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やって来たタッカルビ。薄茶色のヤンニョムソースをまとって、見るからにおいしそう。
このような味付け鶏肉をテーブルの炭火でじっくり焼くスタイルは、1960年代初頭に春川のとある飲食店がテジ(豚)カルビの代わりに酒のおつまみとして出したものが始まりとされ、これこそが春川タッカルビの原型と言われています。当時はその安さから「庶民カルビ」「大学生カルビ」などと呼ばれていたそうです。その後70年代には現在の主流である大きな鉄板で野菜など一緒にと炒めるスタイルのものが登場、現在へと至ります。
ただでさえ焦げやすいヤンニョム付きの鶏肉を炭火で直に網焼きするため、店員さんからは10秒ごと(!)に肉をひっくり返すよう伝えられます。50分並んだ後は10秒おきの操作となかなか忙しいですが、おいしいものを食べるためには多少の手間など気にはなりません。

 

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そしてついに焼き上がり。
ぱくり。ああ、超うんまい。毎度のことながら、心の中で「なにこれ?」とつぶやきながら夢中で食べ進める自分がいます。
そのまま食べてもよし、パンチャン(おかず)のヤンニョム漬けプチュ(ニラ)と一緒にサンチュなどでくるんで食べてもよし。大好きな味です。
こちらのお店はタッカルビがうんまいのみならず、100%モルトビールの「Kloud」(クラウド)、そして「チャッマッコリ」(잣막걸리:松の実マッコリ)と私の大好きなお酒が飲める点でも非常に高ポイントなのです。中でも写真1枚目のチャッマッコリは、春川市と隣接する京畿道(キョンギド)加平(カピョン)郡の酒造メーカー「ウリスル」のブランドで、同郡の名産でもある松の実の香りとマッコリとの調和が絶妙なのですよ。あまりに好きすぎて、保冷材を用意してまで日本に持ち帰るほどだったりします。

 

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こちらのお店「元祖スップルタップルコギチッ」の営業時間は午前10時30分~午後9時、名節(旧正月と秋夕)の前日と当日は休業。前述したように土曜の夜だと確実に50分前後は並ぶことになりますので、余裕を持ってのご訪問をおすすめします。
KORAIL京春線「春川」駅からは徒歩約17分(約1.1km)、タクシーならワンメーターの2,800ウォンで到着できます(2018年2月現在。道路事情等により変わる可能性あり)。また「春川市外バスターミナル」からだと道路向かい側の「市外バスターミナル」(시외버스터미널)バス停から<7><50><81>番の各市内バス(<7>は約15~30分おき、その他は約15~20分おき)に乗り、「明洞入口」(명동입구)バス停で下車、すぐです。
今回の会計はタッカルビ2人分(計500g)とビール2本、チャッマッコリ1本で計33,000ウォン(約3,300円:当時)。しかもサンチュなどで包むので十分食べ応えがあるのにこの価格という。お腹も懐も満足できる、強くおすすめのお店です。

元祖スップルタップルコギチッ(원조숯불닭불고기집:江原道 春川市 楽園ギル 28-4 (中央路2街 70))

 

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元祖スップルタップルコギチッのすぐ近くには、春川を代表する在来市場「春川中央市場」(チュンアンシジャン)、別名「春川浪漫(ナンマン)市場」があります。こちらは末尾n日とn+5日にのみ開かれる五日市ではなく、日本のアーケード通りと同様の常設市場です。
好きな韓国在来市場の雰囲気に浸りたいところですが、さすがにこの時間(21時近く)はかなりの店が閉店していました(市場の写真は2016年8月撮影。このときはまだ19時台だったのでまだ結構店が開いてました)

春川中央市場(春川浪漫市場)(춘천중앙시장(춘천낭만시장):江原道 春川市 中央路2街 42-18 一帯)

 

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春川浪漫市場を出ると、おしゃれなショップの並ぶ街並み。このあたりは一般に「明洞」と呼ばれる春川随一の繁華街で、偶然にもあのソウル・江北の中心街と同じ名前です(春川の方はすでに地名ではなくなってますが)。そんな明洞の街を貫通するメインストリート「明洞キル」の真ん中に立つのは、春川といえばこの二人。

 

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ちなみにこの「明洞キル」から1本奥に入ったところには、有名店を含め20軒前後のタッカルビ店が集中する名物通り「春川明洞タッカルビコルモク」(춘천명동닭갈비골목:コルモクとは「路地、横丁」の意)もあります(写真は2014年3月撮影)。

 

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この日の宿である春川世宗ホテル(こちらのエントリーにて紹介)はここ明洞から近いので、いったん歩いて戻ります。途中の江原道庁では、平昌(ピョンチャン)冬季五輪をイメージしたと思われる路面ライトアップも。

 

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春川世宗ホテルから眺めた春川の街の夜景。

 

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タクシーに乗り、再び「春川マッククスタッカルビ祭り」会場へ。
このお祭りのもうひとつの醍醐味は、ステージでのイベントが終了する午後10時を過ぎても飲食店舗が普通に営業し、客足が途絶えないこと。この夜祭りの雰囲気が好きで、春川に宿泊するようになってからはいつも訪れています。

 

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そしてこのお祭りのさらなる楽しみ、マッククスの仮設店舗へ。こちらはタッカルビとは異なり、実行委員会運営(?)の単一店舗のみとなっています。

 

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出てきたマッククス。
そば粉入りの麺の上にはヤンニョムジャンが乗っており、そのまま混ぜればピビンマッククスとして、一緒に出てくるポットのスープを注げばムルマッククスとして楽しめます。私はムルマッククスで。うんまい。飲んだ後の締めに最適の食べ物です。

 

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会場内にあった移動式の「バイキング」。

 

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場内の飲食店。無数に並ぶメニュー名、そして食材。こういうのを見るとワクワクしてきますよね。

 

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そしてとうとう午前0時。まだいくつかの店舗は営業を続けていました。
その様子を見届けて、ホテルヘ。駅前ですからタクシーはかんたんに見つかります。
部屋へ戻り、この翌日に控えているまた別の食の祭典への参加のため、ゆっくりと休むのでした。

それでは、次回のエントリーヘ続きます。

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