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主に旅での出来事につき、ツイートでは語り切れなかったことを書いたりしたいと思います。

釜山の旅[201711_01] - チャガルチと凡一(ポミル)、情感漂う釜山の2つの酒場をはしごする

今回からは、昨年(2017年)11月17日(金)から同月19日(月)にかけての釜山広域市の旅をお届けします。
本来ならば、昨年10月の光州(クァンジュ)広域市や全羅南道(チョルラナムド)などを巡る前回のエントリーの続きを書くべきところですが、こちらについては都合により後日改めてご紹介したいと思います。

 

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釜山の訪問は同年2月以来およそ9ヵ月ぶり。利用したのは今回ももちろんエアプサンです。
今回の宿は都市鉄道(地下鉄)2号線「沙上(ササン)」駅そば、定宿となっている某モーテル。価格の割に設備が整っているうえ、金海(キメ)国際空港へのアクセス手段である釜山金海軽電鉄への乗換駅そばという立地であるため、帰国の際にとても好都合なのです。遠いとはいえ、チェック済みの飲食店も多いチャガルチへは8番バス1本で行くこともできます(「西区庁」バス停で下車)。
ただこちらのモーテル、玉にキズはチェックイン開始時刻が午後6時とやたら遅いこと。空港から近いこともあって、午後4時着の便でもそれよりずっと前に到着してしまいます。とりあえず荷物をフロントに預けて外出することにします。

 

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写真1枚目は釜山金海軽電鉄の車内モニター、2・3枚目は都市鉄道(地下鉄)の案内です。釜山の都市鉄道はソウルや光州と同様に日本語を含む多国語表記が充実しています。

 

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釜山に来て最初に訪れたのは、2月の旅と同じく、都市鉄道(地下鉄)1号緑「草梁(チョリャン)」駅。以前にも紹介した、在釜山日本総領事館の裏にたたずむ、あのひとに会うためです。
ここを訪れたのも9ヵ月ぶり。その間も私が暮らす国では政府も世論もー丸となって過去の加害を否認し、被害者たちを侮辱する言説を繰り返しています。なす術もない自らの非力さを深く詫びるとともに、それでも抗い続けることを改めて誓います。

 

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再び1号線に乗り、今度はあのチャガルチ市場も近い「チャガルチ」駅で下車。
釜山の旧市街であり、現在も西面(ソミョン)と並ぶ繁華街である南浦洞(ナムポドン)の最寄駅のひとつでもあるこの駅周辺には、前述したようにチェック済みの飲食店が多数立地しており、釜山訪問の際には必ず訪れている場所です。ソウルの「鍾路3街(チョンノサムガ)」駅と同様、到着する度に目尻が下がってしまう駅です。

 

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いつもならば駅の東端、国際市場(クッチェシジャン)寄りの7番出口を利用するところですが、今回は駅西端の2番出口を抜けて、海産物の店が並ぶ海岸寄りの路地をずんずん進みます。

 

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到着したのは、「忠武洞セビョク市場」の港側の入口にある「トンファンハルメチッ」と「元祖ハルメソンマッ」。どちらも近隣の市場で働く人々向けの酒場で、店内にスペースがないため路上に置かれた椅子が独特の雰囲気を醸し出しています。いちおう店は別々ということになっているのですが実質的に境界はありません。釜山の旅には決して欠かせない鄭銀淑さんの著書『釜山の人情食堂』で知ったこちらのお店、前年(2016年)10月に続き2度目の訪問です。

 

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お店は70代くらいのアジメ(아지매:親戚でない既婚女性を高めつつ親しみを込めて呼ぶ語「アジュモニ」「アジュンマ」の慶尚方言。ここでは「おかみさん」の意)が一人で切り盛りしています。『釜山の人情食堂』の写真から察するに「トンファンハルメチッ」のアジメのようです(こちらの写真は2016年10月撮影)

 

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注文したのはピョンオ(병어:マナガツオ)の「セッコシ」(세꼬시)と呼ばれる刺身。セッコシとは写真のように小魚を中骨ごとぶつ切りにして出すタイプの刺身で、日本語の「背越し」が由来とされています。うんまい。おともは、釜山といえばもちろん地マッコリの「センタク」(생탁)。
わざわざ日本から、それもたった一人でやってきたのが珍しいのか、隣に座ったおじさんと意気投合してしまいました。一方でアジメといえば、同様に『釜山の人情食堂』を読んで訪問する日本人が多いようで、慣れていらっしゃるご様子。というか、本をお持ちでした……

 

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2皿目のお魚を注文したいところですが、今回は次のお店も控えているのでピョンオだけに抑えます。写真はいずれも前回(2016年10月)の訪問時に注文したもので、1枚目はこの時期の旬のチョノ(전어:コノシロ)の刺身、2枚目はカオリムチム(가오리무침:エイ刺のヤンニョム和え)。どちらもうんまかったです。チョノは小骨もいいアクセント。
こちらのお店「トンファンハルメチッ」&「元祖ハルメソンマッ」の営業時間は午前11時~午後9時。年中無休とのことですが名節(旧正月・秋夕)はお休みかもしれません。都市鉄道(地下鉄)1号線「チャガルチ」駅2番出口から徒歩約6分(約400m)で到達できます。

トンファンハルメチッ/元祖ハルメソンマッ(동환할메집 / 완조할매손맛:釜山広域市 西区 セビョク市場キル 57 (忠武洞1街 42-2))

 

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再び地下鉄に乗り、今度は「凡一(ポミル)」駅で下車。見どころが多いうえ、こちらも料理のうんまい飲食店やいい感じの酒場がいくつもあって好きな街です。

 

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凡一駅の7番出口を出て3分ほど歩いた場所にある、Korail京釜線キョンブソン)をまたぐ陸橋、通称「クルムタリ」(그름다리:「雲の橋」の意)。映画『友へ チング』の一舞台となった場所であり、両側の階段を一定の場所から眺めるとチャン・ドンゴンさんやユ・オソンさんらが演じた主要登場人物4人の絵が浮かび上がってきます。

 

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この日2度目の夕食は、このクルムタリを越えてすぐ右側にある写真のお店「サンソンオルムマッコリ」。
こちらも鄭銀淑さんの著書『韓国ほろ酔い横丁 こだわりグルメ旅』で知ったお店であり、酒場らしい店構えにおいしい料理、しかも破格の安さということで前々から気になっていたところです。重しのタイヤが置かれた屋根が情感を誘います。

 

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店内。見た目よりは広いです。
こちらのお店もアジメがお一人で切り盛りされていました。

 

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メニュー表。訂正がすごいです。
皮肉とかではなく、韓国の飲食店でよく見かけるこうした訂正だらけのメニューが私は大好きなのです。日本だとすぐクレームに発展しそうな表記が受け入れられているところに社会の成熟性を感じます。
センタクが2,500ウォンというのは、私が見てきた中ではいちばん安いです(ソウルには長寿マッコリが2,000ウォンのお店がありましたが)

 

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まずはノガリ(노가리:スケトウダラの幼魚の干物)、5,000ウォン(約530円:当時)。ノガリといえばソウル・乙支路(ウルチロ)の路上ホーフ名物のようなカラッカラに乾いた干物を想像してしまいますが、こちらのお店のものは一夜干しタイプであり瑞々しさがあります。ノガリ定番の辛いヤンニョムジャンにつけて食べます。

 

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続いてアルタン(알탕:魚卵のスープ)、6,000ウォン(約630円:当時)。一人鍋サイズです。冬はあったまりそうですね。おいしかったです。またもやセンタクをオーダー。

 

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そしてもうひと皿、オジンオポックム(오징어볶음:イカの炒め物)、7,000ウォン(約740円:当時)。タンミョン(당면:韓国春雨)も入っています。見ての通りフライパンのまま出てきますがこういうのがまた好きなんです。味もまたうんまい。
こちらのお店「サンソンオルムマッコリ」の営業時間は午後3時~午後11時。お休みは不明です。都市鉄道(地下鉄)1号線「凡一」駅7番出口から徒歩約4分(約240m)で到達できます。ビール1本とセンタク1本、以上の料理3皿で合計23,500ウォン(約2,470円:当時)。すぐそばを走る京釜線の列車の音をBGMに、お腹も満たせてふところにも優しいお店です。
訪問2日前(2017年11月15日)に発生した、浦項(ポハン)を震源とする地震がすごかったね、という話をアジメと交わしたのがとても印象に残っています。カタコトでも通じる話はあります。また行きたいな。

サンソンオルムマッコリ(산성얼음막걸리:釜山広域市 釜山鎮区 中央大路 548-13 (凡川洞 62-693))

 

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こうして釜山の魔力によりお腹も心も幸せいっぱいになって、ホテルへ戻りゆっくりと休むのでした。

それでは、次回のエントリーへ続きます。

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