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統営の旅[201812_05] - 原都心で3つの統営名物をはしご、そして映画『1987』にも登場したあの教会へ

前々回のエントリーの続きです。

2018年11~12月の慶尚南道キョンサンナムド)統営(トンヨン)市の離島などを巡る旅の3日目、2018年12月2日 (日)です。

 

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午前7時30分に欲知島(욕지도:ヨクチド)の港を発った、慶南海運キョンナム・ヘウン)のフェリー「統営ヌリ」号の客室。昨日に統営港から乗った大一海運(テイル・ヘウン)のフェリーには座席もあった一方、こちらは雑魚寝スペースのみ。それ自体は別にかまわないのですが、オンドルが効いていて暑がりの私にはちょっと辛いです……。

 

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欲知港を発ってちょうど1時間で、終着地の三徳(サムドク)港旅客船ターミナルに到着。
三徳港は、面積でも人口規模でも統営市最大の島である弥勒島(ミルクト)の西岸にある港で、前回エントリーの付記でも紹介したように、ここからは慶南海運のほか、嶺東海運(ヨンドン・ヘウン)の運行する2航路が欲知島へ向かっています。

 

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港の近くにあるバス停には、すでに統営市内バス<501>番が待機。急いで飛び乗り、三徳港を横目にしつつ、この日最初の目的地である原都心(ウォンドシム。旧来の市街地)へと向かいます。

 

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統営運河をまたぎ、本土(原都心)と弥勒島を結ぶ「統営大橋(トンヨンデキョ)」。

 

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こちらは4回前のエントリーでも紹介した、統営大橋と同じく本土と弥勒島を結ぶ「忠武橋(チュンムギョ)」。本土側の橋脚の内側には、ここ統営生まれの画家、全爀林(전혁림:チョン・ヒョンニム、1916-2010)画伯の作品「運河橋(운하교)」が描かれています。全爀林画伯はその独特な色使いから、「色彩の魔術師」「韓国のピカソ」などの異名を持ち、弥勒島には画伯の作品を集めた美術館が建てられています。

 

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三徳港からおよそ30分で、統営の2大在来市場のひとつ、西湖伝統市場(ソホ・ジョントン・シジャン)そばの「西湖市場」バス停に到着。時計は午前9時少し前。
このバス停は、前日に利用した統営港旅客船ターミナルの最寄りのバス停でもあります。前述したように欲知港からはこのターミナルへ向かう大一海運の航路がありますが、始発便の到着時刻は午前9時40分(推定)であるため、欲知港からは始発便の早い慶南海運を利用したほうが三徳港経由であっても早く原都心に到達できるというわけです。

 

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そういえばこの日はまだ何も食べていません。そこですぐさま朝食のお店へ。
入ったのは、下車したばかりの「西湖市場」バス停のすぐ目の前にある「ホドン食堂(シクタン)」です。
こちらのお店は朝鮮戦争(韓国戦争、6.25戦争)中の1951年創業であり、2012年に韓国農林水産食品部と韓食財団が選定した「한국인이 사랑하는 오래된  한식당 100선(韓国人が愛する古い韓食堂100選)」にも、リスト中で52番目に歴史のある飲食店として登載されています(ちなみに1番目は1904年創業の「里門(イムン)ソルロンタン」(ソウル特別市鍾路区))
こちらのお店の代表メニュー、ポックッ(복국)を注文。チョルポッ(졸복:ヒガンフグ。学名:Takifugu pardalis)という小型のフグを具材にしたスープで、チョルポックッ(졸복국)とも呼ばれ、統営ではヘジャンクッ(해장국:二日酔いざましスープの総称)として愛されているそうです。フグといえば日本ではトラフグのような高級食材のイメージが強いですが、韓国ではもっとポピュラーな食材で、品種によっては手頃な値段で味わうことができます。

 

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そしてやって来たポックッ。小ぶりのフグの身がたくさん入っています。スープは淡白ながらもしっかりしたうまみが出ており、塩味もいい感じ。予想以上にうんまかったです。適度に飲んだところでご飯を投入するとスープを無駄なく味わえます。

 

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パンチャン(おかず)のひとつとして出てきた青魚のジョリム(煮付)。もしやと思いお店の方に魚種を尋ねると、やはりチョンゲンイ(정갱이:アジ)との答えが。
アジは韓国でも食されていますが、日本のそれのようにポピュラーな魚種ではなく、私の経験上だと煮付はもとより刺身や焼き魚でも出てくることはめったにありません。実際、「정갱이」で調べてみると「日本人が好きな魚種」といった記述がよく出てきます。この直前に訪れた欲知島など統営市内でもアジは養殖されており、そのほとんどが日本に輸出されていると聞きますが、そうした統営ならではのパンチャンなのかもしれません。
醤油ベースの日本の煮付とは異なる、コチュジャンベースのチョンゲンイジョリム。こちらもうんまかったです。

 

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こちらのお店「ホドン食堂」の営業時間は午前7時~午後7時、年中無休または名節(旧正月・秋夕)のみ店休。2021年1月現在、私の注文したポックッは訪問当時と同じ12,000ウォン(約1,140円:同)で召し上がれるようです。

ホドン食堂(호동식당:慶尚南道 統営市 セトキル 49 (西湖洞 177-102))

 

統営市原都心北東部
お腹もふくれたところで、いよいよ統営の原都心の踏査に向かいます。
今回の目的地は西湖伝統市場よりも北東側、前日(12月1日)の午前中に巡れなかった場所が中心です。

 

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西湖伝統市場近くの港南洞(ハンナムドン。洞(ドン)は日本の「○○市○○町」に相当)には、写真の古びた店舗建物があります。
こちらの建物日帝強占期の1930年代築とみられるもので、光復(日本の敗戦による解放)以降は統営を代表する工芸品のひとつ、螺鈿(らでん)漆器の技術を伝授する「慶尚南道螺鈿漆器技術院養成所」として用いられました。そしてここは、韓国を代表する西洋画家のひとり、李仲燮(이중섭:イ・ジュンソプ、1916-1956)画伯が養成所の講師としてデッサンを教えていた場所でもあるとのことです。

 

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こちらの建物は2020年11月に「慶南道立螺鈿漆器技術院養成所(경남도립 나전칠기 기술원 양성소)」として国家登録文化財の指定予告がなされており、その後同12月31日付で国家登録文化財第801号に指定されております。

 

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李仲燮画伯は1952年からおよそ2年間の統営滞在中に養成所講師を務める傍ら、美しい統営の風景をはじめとする数多くの作品を描き、中でも「牛」をモチーフとする連作は今日も極めて高い評価を得ています。
李仲燮画伯の生涯、および統営と同じく画伯が生前に滞在した釜山の「李仲燮通り」については下記のエントリーにて紹介しております。あわせてお読みいただけますと幸いです。


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ランチタイムにはまだまだとはいえ、高速バスは予約済みと余裕時間に制約がある中、訪問したい場所がいくつも残っている私には食事の時間すら惜しい状況ですが、ここ統営にはそんな私にうってつけの名物料理があります。
到着したのは、西湖伝統市場と隣接する「忠武キムパッコリ」(충무김밥거리:コリは「通り」の意)。写真のように、統営を代表する名物料理のひとつ「忠武(チュンム)キムパッ(충무김밥)」の専門店が立ち並んでいます。

 

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それら専門店の中から選んだのは「ソムンナン3代ハルメキムパッ1号店」。「噂の3代おばあさんのキムパッ」という意味の屋号を持つこちらのお店は1955年創業と、数ある忠武キムパッ屋さんの中でも元祖格というべき存在であり、前述した「韓国人が愛する古い韓食堂100選」でもリスト中で68番目に歴史のある飲食店として登載されています。

 

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忠武キムパッの特徴は、一般的なキムパッとは異なり海苔巻きの中に具が一切入っていないこと。その代わり、具に相当するおかずが別添えとなっています。これは一説に、忠武キムパッが船員たちの弁当として誕生したことに由来するもので、統営近海のような韓国でも温暖な地域だと具が中に入ったキムパッは傷むのが早いため、妻たちがその対策に海苔巻きと具材を別々にして渡したものがやがてスタンダードになったとされています(フェリーの乗客向けに売られていた弁当が由来という説もあり)
その名称にある「忠武」とは、言うまでもなく李舜臣(이순신:イ・スンシン、1545-1598) 将軍の諡(おくりな、死後に贈られた号)ですが、忠武キムパッが全国的に知られ始めた1980年代当時の市名が忠武市であったことから定着したものです(1995年に忠武市と統営郡が合併して統営市が発足)

写真は、この後に乗った高速バス車内で弁当代わりに食べた同店の忠武キムパッ(2人分)。左側のおかずはイカとオムク(オデン種などに用いる魚の練り物)を辛いヤンニョムソースで炒めたもの。このほか、ム(大根)キムチが付け合わせに入っています(希望すればスープも付いてきます)。なお、このムキムチはにおいがかなり強いため、車内で袋を開けるのはおすすめしません(経験談)。

 

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こちらのお店「ソムンナン3代ハルメキムパッ1号店」の営業時間は午前10時~午後9時、年中無休。2021年1月現在、名物の忠武キムパッは1人分5,500ウォン(約500円:同)ですが、テイクアウトは2人分から可です(なので写真は2人分)

ソムンナン3代ハルメキムパッ1号店(소문난3대할매김밥 1호점:慶尚南道 統営市 統営海岸路 229 (西湖洞 177-360))

 

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バス通りの脇に「港南1番街(ハンナムイルボンガ)」とある商店街らしき細い道がありました。入ってみることにします。
車がすれ違うのも難しそうなほどの細い道の両側には商店が並んでいます。

 

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そんな中、左手にあった写真の家屋脇の路地に、大きな案内板があるのがたまたま目に入りました。
後に調べてみたところ、時調(シジョ)と呼ばれる韓国伝統様式の定型詩で知られる統営出身の詩人、金相沃(김상옥:キム・サンオク、1920-2004。号は草汀/艸汀/草丁(いずれもチョジョン))詩人の生家であるとのこと。写真2枚目のベレー帽をかぶった男性がその金相沃詩人です。

 

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金相沃詩人は1920年、現在の統営市生まれ。10代後半の同人誌活動を経て、1939年に時調の「鳳仙花」で文壇デビュー。その後1940年代前半には思想犯として日本警察に逮捕され、光復までに3回も投獄されています。光復後は時調詩人として数多くの作品を送り出し、1960年代以降は実験的な詩作に取り組んでいます。
なお、写真の家屋は2020年3月、「統営金相沃生家」として国家登録文化財第777-8号に指定されています。このように金相沃詩人の生家が位置するため、港南1番街は「チョジョン金相沃通り」という愛称も付けられているそうです。

 

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港南1番街(チョジョン金相沃通り)の北側出入口。向こうには釜山や慶尚南道でよく見かける、白と青のストライプの沐浴湯(モギョッタン:銭湯)の煙突が。

 

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港南1番街の北側出入口から東へ進むと、船がたくさん停泊した岸壁が見えてきます。こちらの岸壁一帯は江口岸(カングアン)といい、統営市街地に食い込んだ四角形の湾入部に面したもので、漁船やボート、そして壬辰倭乱(イムジンウェラン:文禄・慶長の役豊臣秀吉による2回の朝鮮侵略のときのコブク船(亀甲船)を模した遊覧船が多数停泊しています。

 

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その江口岸のちょうど北西の角にあたる場所に、かなり独特な色形をした写真の店舗があります。

 

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こちらは「モンゲハウス」という菓子店で、その奇抜な店構えは店名の通りモンゲ(マボヤ)を模したものだそうです。
実はこちらのお店、屋号そのままにモンゲの成分を材料に用いたパン(ここでは焼き菓子のこと。韓国では焼き菓子もパンと呼ぶ)、その名もずばり「モンゲパン」を作っているとの情報を得て、そのあまりの衝撃から訪れたものです。味の想像すらできないホヤ入りのパン、一体どんなものかと楽しみにしていましたが、尋ねてみるとすでに取り扱いをやめたとのこと。やはり不評だったのでしょうか。

 

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モンゲパンはなかったものの、こちらのお店では統営名物の「クルパン(꿀빵)」をはじめとする何種類かの焼き菓子を扱っています。クル(꿀)とは蜂蜜のことですが一般に蜂蜜は使われておらず、その代わりパンの表面に水飴が塗られています。ボール状のクルパンの中には餡が入っており、通常は小豆のこしあんが用いられますが、モンゲハウスは餡のバリエーションがなんと5種類も。こちらのお店でお土産用に購入することにしました。

 

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そうして持ち帰ったモンゲハウスのクルパン。餡の違いがカップの色で示され(白:小豆、緑:エンドウ豆、黄色:柚子、茶色:栗、赤:紫芋)、自由に組み合わせて購入できます(1個でも購入可)。他の焼き菓子と同様、クルパンは冷めるとやや固くなりますが、電子レンジで温めるとおいしく召し上がれます。水飴を塗りたくった割には、想像したほど甘ったるい感じでもありませんでした(それでも結構甘いので一度にたくさんは食べられないですが)

こちらのお店「モンゲハウス」、営業時間や店休日は不明ですが、私が訪問した日曜日も営業していました。当時も2021年1月現在もクルパンの値段は1個1,000ウォン(約95円:同)。写真の6個セットを購入したところ、1個おまけをつけてもらった記憶があります(その場で食べました)

モンゲハウス(멍게하우스:慶尚南道 統営市 統営海岸路 337 (中央洞 54-35)) 

 

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ちなみにモンゲハウスではクルパン以外にも、チョンボッ(アワビ)の形をしたチョンボッパン、ヘサム(ナマコ)の形をしたヘサムパンを扱っています。小麦粉0%、国内産大麦で作ったとあります。聞くとこれらは形だけを真似たもので、アワビやナマコの成分は入っていないとのこと。さすがにモンゲパンで懲りたのでしょうか……。

 

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モンゲハウスの複雑に入り組んだ屋根が、猫さんたちの絶好のひなたぼっこスポットになっていました……

 

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モンゲハウスのすぐ左隣には、西湖伝統市場と並ぶ統営の2大在来市場のひとつ、中央伝統市場(チュンアン・ジョントン・シジャン)のアーケードが口を開けています。

 

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中央伝統市場の内部。アーケード通りの真ん中にまで露店がぎっしり。西湖伝統市場と同様、統営名産のカキやさまざまな魚など海の幸が豊富に並べられています。大好きな韓国の市場の風景。

 

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中央伝統市場のブリさん。それはちょっと無理があるだろう.……

 

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中央伝統市場から見て西側、徒歩約3分ほどの位置に、写真の建物があります。どこかで見覚えがあるという方もいらっしゃることでしょう。
こちらの建物は「忠武教会(チュンム・キョフェ)」というプロテスタントの教会で、実はこの年(2018年)9月に日本でも公開された韓国映画1987、ある闘いの真実(原題:『1987』)劇中に登場した建物です。

以下の記述は、映画『1987、ある闘いの真実』のストーリー内容を含みます。いわゆる「ネタバレ」を避けたい方はこちらをクリックし、当該記述を飛ばした箇所から再びお読みいただくことをおすすめいたします。

 

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この忠武教会は物語の中盤、ソル・ギョングさん演じるジョンナムとパク所長ら対共捜査処員によるソウルの教会での追撃戦シーンの舞台として登場する、あの場所です。屋上に尖塔のある教会がこのシーンのロケ地としての条件であり、2本の尖塔がそそり立つこちらの建物が全国から選ばれたのだそうです。
この日は礼拝のある日曜日。教会の牧師様にお願いして、突然の訪問にもかかわらず内部の観覧と写真撮影を許可していただきました。礼拝直前の時間ということで、その牧師様が続々とやって来る関係者や信者の方々に挨拶しつつ、見慣れない私を「わざわざ日本からやって来たソル・ギョングのファン」と紹介していたのが印象に残っています。
ちなみにソル・ギョングさんはファンとまでは言えないですが、好きな韓国俳優の一人です。まさに余談ですが、映画の観覧にあたりソル・ギョングさんが出演したことを事前に知っていたにもかかわらず、ジョンナムがそれであったことに観終わるまでとうとう気がつきませんでした。恐るべしカメレオン俳優……

 

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ホール内の壁面上部にはステンドグラスが並んでいます。そのうち写真2枚目のものこそが、まさしく屋根上から転落しかけたジョンナムの足の影が映っていたあのステンドグラスです。

 

 

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忠武教会は1905年にオーストラリアのアダムソン宣教師によって設立されたテファ正教会がその始まりで、その後1956年に名称を忠武教会に改め、1983年には現在の教会建物が竣工しています。
また、テファ正教会や附属のシンミョン学校で幼年時代を過ごした人々の中には、作曲家の尹伊桑(윤이상:ユン・イサン、1917-1995)、劇作家の兄・柳致真(유치진:ユ・チジン、1905-1974) と詩人の弟・柳致環(유치환:ユ・チファン、1908-1967)兄弟、詩人の金春洙(김춘수:キム・チュンス、1922-2004)、そして小説家の朴景利(박경리:パク・キョンニ、1926-2008)の各氏のような、後にそれぞれの分野で頭角を現す統営出身のアーティストたちも含まれます。

応対してくださった牧師様をはじめ、忠武教会のみなさま、本当にありがとうございました。おかげでまたひとつ願いがかないました。

忠武教会(충무교회:慶尚南道 統営市 洗兵路 13-1 (文化洞 183))

 

それでは、次回のエントリーへ続きます。

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