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主に旅での出来事につき、ツイートでは語り切れなかったことを書いたりしたいと思います。

釜山の旅[その2] - 大量のおかずが出てくる国際市場の酒場に、富平カントン市場の名物「夜市場」

前回のエントリーの続きです。

 

gashin-shoutan.hatenablog.com

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再び2月10日の夜に戻ります。
「平和の少女像」のある「草梁」(チョリャン)駅から地下鉄(都市鉄道)1号線に乗り、「チャガルチ」駅で下車。有名なチャガルチ市場からも近いこの駅、日本語表記がふんだんにあります。

 

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ここから北側に歩いて5分程度の距離にあるのが、釜山を代表する在来市場のひとつ「国際市場」(국제시장:クッチェシジャン)です。光復(광복:クァンボク。日本の敗戦による解放)の後、朝鮮を去り行く日本人が持ち帰れない分の物資を販売したことから始まった市場で、その後朝鮮戦争期の米軍(国連軍)の放出物資の売買などを経て現在へと至ります。米軍の駐留により海外の品物が扱われるようになったのが「国際市場」の名の由来とのことです。

 

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写真のお店は、この国際市場を日本でも有名にした映画『国際市場で逢いましょう』の主人公、ドクスの店のモデルとなった「コップニネ」(꽃분이네:「コップンの店」の意)。20時過ぎなので他の店と同様に閉まっています。看板にはドクス(を演じたファン・ジョンミンさん)の写真も。
国際市場の大半の店の営業時間は9:30~20:30。下のリンクは国際市場のうち「コップニネ」の位置を示しています。

国際市場(국제시장:釜山広域市 中区 国際市場1ギル(新昌洞4街) 一帯)

 

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その中央を南北に貫くアーケード通りをさらに北へ進むと、市場の最後のブロックにいくつかの飲食店があります。今回の目的地は、これら飲食店のうちのひとつ「コチャンチツ」(거창집)。釜山の旅には決して欠かせない鄭銀淑さんの著書 『釜山の人情食堂』で知ったお店で、私にとっては一昨年(2015年11月)以来、2度目の訪問となります。昨年にはNHKのTV番組『世界入りにくい居酒屋』でも紹介されたので、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
ちなみに店名の右側に書かれている「실비」(シルビ)とは「実費」の意。ほぼ実費(原価)で提供していますよ、という意味を表わしています。

 

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こちらのお店の特徴は、30,000ウォン(約3,000円)でビールまたはソジュ3本と十数種類のおかずが出てくるシステムであること。もちろんビールやソジュは単品(3,000ウォン)でのオーダーも可能です(マッコリはありません)。
おかずは港町・釜山らしく海産物中心。全体像を撮ろうにも食べている途中で次から次へとおかずが出てくるので、途中からは追加分のみの写真となってしまいました(食べかけの写真は見たくないですよね)。最終的に数えたら大小合わせて13品目ありました。以下、その中で主だったものを紹介します。

 

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ケッコドン(갯고동)あるいはケッコドゥン(갯고둥)。日本でいうウミニナの一種。全長1.5cmくらい。殻の先端がひとつひとつ丁寧に切り取られており、ロの側からチュッと吸うと身が出てきます。

 

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ポンデギ(번데기) 。言わずと知れたカイコのさなぎです。正直ちょっと苦手なのですが(虫だからではなく臭いが)、ここのは割とおいしめの味付けでした。釜山の飲食店ではパンチャン(突き出しのおかず)にこれが出てくる率が他の地方に比べ高いように感じます。
余談ですが1997年に私が初めて渡韓した際、現地で初めて自分のお金で買って食べたのが明洞の屋台で売られていたポンデギ様でした。

 

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干物っぽい青魚(種類不明)とニンニクの芽、ニンジンなどのムチム(무침:和え物)。見た目通り辛かったです。

 

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細長い魚のチョッカル(젓갈:塩辛) 。何の魚かは不明です。カルチ(갈치:タチウオ)の稚魚のようにも思えるのですが。

 

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おかずの中でも、色といい大きさといい特に存在感のあるカニさん。調べたら「チョムバギコッケ」 (점박이꽃게:ジャノメガザミ)という種でした。うんまい。

 

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オクスス(옥수수:とうもろこし) 。韓国では総じてその傾向が高いのですが、日本のものよりモチモチしており、甘みはやや少ないです。

 

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パーム(밤:栗)とテチュ(대추:ナツメ)の甘煮。テチュは韓国ではポピュラーな食材です。

 

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山芋を薄く切ったもの。タレにつけて食べます。

 

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ピコマク(피꼬막:アカガイ)を生のままヤンニョムに漬けたもの。うんまかったです。

 

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焼きたてのチョギ(조기:イシモチ)。うんまい。個人的にベストのおかずです。あまりのおいしさに、おかわりをお願いしてしまいました(追加料金なし) 。

 

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パジラッ(바지락:アサリ)とスジェビ(수제비:すいとん)の入ったスープ。見た目あっさりしてそうですが、猛烈な辛さで知られる青陽唐辛子(청양고추)が入っているらしく、意外と辛いです。器の文字は「天安門」とあり、そういう名前だった中華料理屋さんの器を再利用しているのかもしれません。

 

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最後に出てきた、ジャガイモとオクラのティギム(튀김:韓国式の天ぷら) 。衣が薄めで、香ばしくてうんまかったです。

これだけおかずが豊富だとさすがに完食とまではいきませんでしたが、がんばって9割以上は一人で食べてまいりました。
2セット以上頼むと違うおかずも出てくるようですので、グループならより楽しめると思います。なお、おかずは時期によっても変化があるようで、前回(2015年11月)はカニなどがなかった一方、クジラの刺身などが出てまいりました。
「コチャンチッ」の営業時間は11:00~23:00。第1・第3日曜日休業。おかずも全体的においしいですし、アジメ(「アジュンマ」の慶尚方言。ここでは女将の意)も親切な方なので、おすすめです。ぜひ。

コチャンチッ(거창집:釜山広域市 中区 新昌洞4街 57)

 

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コチャンチッを出て、国際市場のすぐ西側にある「富平(プピョン)カントン市場」(부평깡통시장)へ。
こちらの市場では朝鮮戦争期、米軍(国連軍)の放出物資である缶詰などが盛んに販売されたことから「カントン」の名が付いたとされています(ここには現在も米軍のレーションを専門に扱う一角があるそうです。私はあまり興味ありませんが……)
写真は富平カントン市場の入口に立っているマスコットキャラクター。よく見ると「カントン」市場らしく、缶詰から頭や手足が出ていますね。

 

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ここ富平カントン市場の名物は、毎日18時から開催される「夜市場」(야시장:ヤシジャン)。2013年に韓国で初めてここ富平カントン市場がスタートし、全国各地の夜市場ブームの火付け役となりました。
日本食を含むエスニック料理を中心とした30台前後の屋台がアーケードの中央に現れ、一列に並びます。狭いアーケードを円滑に通行できるよう、夜市場では右側通行を原則としており、屋台にも「우측통행」(右側通行)との表記があります。

 

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ウユティギム(우유튀김:牛乳天ぷら)の屋台。どんな食べ物でしょうか。想像もつきません。

 

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富平カントン市場の名物のひとつ、シアッホットク(씨앗호떡:ヒマワリの種入りホットク)の屋台。「種ホシトク おいしいです」との手書きの日本語表記と、ハートマークを放出するキャラクターになごみます。これらを含めおいしそうな料理が並びますが、さすがにコチャンチッでおなかいっぱいになったので今回は断念、見物に徹します。

富平カントン市場の夜市場は、毎日18:00~24:00開催。どの料理も概ね3,000ウォン(約300円)前後と安めの設定ですので、夕食・夜食がてらに訪問されることをおすすめします。

富平カントン市場(부평깡통시장:釜山広域市 中区 富平2ギル(富平洞2街)一帯)

 

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帰り道、ある意味チャガルチの名所と化している居酒屋「トリゴヤ」(토리고야)。めちゃくちゃ日本のレトロ趣味です。こういうのを見る度に、日本人が好んでレッテル張りしたがる「反日」とはいったい何なのかと思ってしまいます。ソウルにもあるそうですが、一度は入ってみたいですね。
トリゴヤ(토리고야:釜山広域市 中区 光復路 6-1(富平洞2街 33-7))

 

そうして沙上のホテルへと戻り、明日の街歩きのため眠りにつくのでした……

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