かつてのTwitterアカウント(削除済み)の別館です。
主に旅での出来事につき、ツイートでは語り切れなかったことを書いたりしたいと思います。

太白の旅[その3] - 「太白山雪祭り」と、韓国の石炭産業のすべてを網羅した必見の博物館

 前回のエントリーの続きです。

gashin-shoutan.hatenablog.com

桶里の「ハン書房カルグクス」からはタクシーで太白駅へ戻り、少し歩いて市の中心部の黄池洞(ファンジドン)にあるホテルにチェックイン。荷物を置いたら近くの「慈恵医院前」(자혜의원앞)バス停から市内バスの7系統に乗り、終点の「太白山道立公園」(태백산도립공원)バス停へ。
ここから少し坂道を登ると、ちょうどこの日(1月22日)が最終日であった「太白山雪祭り」(태백산눈축제)のメイン会場、「タンゴル広場」(당골광장)が現れます。
この「太白山雪祭り」、毎年1月下旬~2月上旬前後の時期にここタンゴル広場にて開催されているお祭りで、今年(2017年)で24回目を迎えます。

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有名な札幌の雪まつりと同様、雪像が広場内に所狭しと並べられています。おなじみのキャラクターもいますね。

 

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雪祭り会場であるここタンゴル広場は、その一帯が昨年(2016年) 8月に国立公園に昇格した太白山の登山口にあたる場所であり、昨年3月の訪問時にはなかった「太白山国立公園」(태백산국립공원)の看板も。雪祭り会場では観光客に混じって、下山途中と思しきハイカーの姿も多数見かけました。

 

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タンゴル公園の向かいには、この日の午前中に訪問した「三炭アートマイン」にもあった巨大な竪坑櫓が。炭鉱関連施設がそこにあることをうかがわせます。
この竪坑櫓のそばには、ここ太白の発展の原動力となった石炭産業に関する数限りない収蔵品を展示し、その歴史を記憶する「太白石炭博物館」(태백석탄박물관)が建てられています。
(これと次の写真は2016年3月に撮影したものです。当日は写真を撮り忘れました(^_^;)

 

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実はこの「太白石炭博物館」、昨年(2016年)3月に続き2度目の訪問です。そのときは閉館(18時)の1時間半前に入館したのですが、あまりの展示物の豊富さに途中で時間オーバーとなり、ずっと心残りになっていた場所です(入口の案内板には観覧時間110~130分とありました。納得)。今回も入館こそ閉館の1時間半前でしたが、前回は駆け足で巡らざるを得なかった後半の展示を重点的に見て回ったため、前回とあわせて館全体の満足できる観覧が叶いました。

この博物館の特筆すべき点は、50~80年代に隆盛を極めた韓国の石炭産業とその拠点として発展した太白の歴史を説明するのに、なんと地球誕生から始まっているところ。そりゃあ観覧に2時間を要するわけです。
ひとつひとつ紹介するとキリがありませんので、ここでは各展示物の中でも特に印象に残ったものを数点取り上げたいと思います(以下、展示物に限り昨年3月に撮影した写真を含みます)。

 

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タンゴル広場から博物館の玄関へ向かう道の脇に展示されている、坑道機関車とトロッコ

 

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第1展示室(地質館)。多数の鉱物や化石が展示されている中にあった、リアルなカニさんの化石。いまにも動き出しそうです。

 

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第1展示室(地質館)。なんだかよくわからないけどすごい三葉虫の化石。

 

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第3展示室(石炭の採掘利用館)。機械化される前、粉状の石炭を専用器具で練炭に加工する様子を再現した人形。冬の厳しさもあってか、韓国の人にとっての練炭への郷愁は日本人のそれ以上のようで、朝鮮戦争期から経済成長期へかけての庶民の暮らしを象徴する物品として、あちこちの展示施設で効果的に用いられています。

 

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第4展示室(鉱山安全館)。粉塵爆発などの坑内事故発生時に出動する救助隊の再現人形。二次災害防止のため5人1組になって互いにロープを握ります。一刻を争う中、過酷な事故現場へ向かって果敢に前進する姿を切り取ったかのような迫り来る展示に、ただただ圧倒されます。

 

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こちらは太白石炭博物館の写真ではないですが、先の救助隊の再現人形が背負っている生命維持装置の内部が、この日午前中に訪問した「三炭アートマイン」に展示されていました。酸素ボンベを含め日本製のようです。

 

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第6展示室(炭鉱生活館)。鉱夫とその家族たちが暮らした炭鉱住宅の再現。台所がかまどなので1950~60年代くらいでしょうか。子どもたちが遊ぶ庭には、離れになっている簡素なトイレがあります。

 

f:id:gashin_shoutan:20170222230056j:plain第7展示室(太白地域館)。三陟郡黄池邑と同長省邑の合併により1981年に誕生した太白市。最盛期の87年には12万人もの人口を誇ったものの、89年からの石炭産業合理化事業に伴う閉山により激減し、現在は半分以下の5万人弱で安定推移しています。

 

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第7展示室(太白地域館)。太白市を含む江原道の山岳地域では、かつて一帯に生息していた虎に襲われた死者が出た場合、その場に石を積み甑(陶製の蒸し器)を伏せ、底の穴に糸車の紡錘の管を刺した「虎食塚」を墓の代わりとしたそうで、これを「虎食葬」といいます。太白山周辺には現在もその痕跡が残るとのこと。

 

f:id:gashin_shoutan:20170221223051j:plain第8展示室(体験坑道館)。採掘現場の再現人形のうち、鉱夫の食事風景。「マクチャン」(막창:切羽、坑道の先端)での作業で絶えず緊張感にさらされている鉱夫たちにとって、短いながらも安らぎの時間です。アルマイトの弁当箱は白米(あるいは麦飯)がぎっしり。主菜(肉?)とタクアン、瓶詰めキムチがおかずです。

 

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向かって左側、お弁当を頬張り幸せそうな表情を浮かべる鉱夫さんが座る丸太。さらに左側をよく見ると、ネズミさんがおこぼれを虎視眈々と狙っていました。

 

以上でもお分かりいただけるように、この「太白石炭博物館」では等身大の再現人形(マネキン)を用いた展示に力を入れており、とりわけ地下の第8展示室はそのすべてが朝鮮時代から現代へと至る採掘現場の再現展示で構成されています。
その時代の現場でのリアリティや臨場感を的確に伝える点で、精巧な再現人形による実物大展示に勝る手法はないでしょう。そのためかこの「太白石炭博物館」のみならず、以前に紹介した「光州広域市5・18民主化運動記録館」など韓国における「記憶」のための施設では、再現人形が効果的に活用されています。
一方で個人的にも縁の深い日本の広島では数年前にも報道されたように、平和記念資料館の「被爆人形」が近く撤去される予定となっています。これを超える展示手法が確立されていない中でのこうした動きは、残念としか言いようがありません。

「太白石炭博物館」は、韓国のほとんどの博物館が閉館となる月曜日を含め年中無休。開館時間は9時~18時(入場は17時まで)。そしてこれほど豊富な展示にもかかわらず 入場料はなんと2,000ウォン(約200円)。これだけのために太白を訪問する価値があるといっても過言ではない場所です。

太白石炭博物館(태백석탄박물관:江原道太白市天祭壇ギル1951(所道洞166))  [HP]

 

それでは、次回に続きます。
次回はお待ちかね(?)の夕食も登場します。乞うご期待。

 

【以下、2017/02/28追記】
太白石炭博物館の最寄りのバス停「太白山道立公園」へは、太白市外バスターミナルから7番(タンゴル方面行き)バスに乗って30分前後で到達できます。運転間隔は1時間あたり1~2本。参考までに2017年1月22日時点での時刻表を貼っておきます(左の列が太白市外バスターミナル発、右が太白山道立公園(タンゴル)発)。ターミナルを16時ちょうどに出る便を逃すと入館締め切り時刻に間に合いませんので要注意。

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太白の旅[その2] - かつての炭鉱をアート空間に再生した施設、そして太白の隠れた名物・タッカルグクス

前回の旅の続きです。

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お酒をしこたま飲んで、同じ鍾路3街のホテルに帰っていつのまにか寝入っていた私。気が付いたら翌日(1月22日日曜日)の午前5時半。当初予定していた、ここから遠く離れた江辺の東ソウル総合バスターミナルを午前6時に発つ便には到底間に合いそうにありません。周囲を見回すとスマホなどはしっかり充電しているのに、目覚まし時計代わりの折り畳み式ケータイはなぜか日本で使っていたもっと遅い時刻設定のまま。なぜここまでがんばらなかった……

それから急いで支度し、タクシーに乗って東ソウル総合バスターミナルについたのは午前7時ちょい過ぎ。

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東ソウル総合バスターミナルの前には写真のような屋台が並んでおり、この早朝(午前7時)の時点ですでに営業中です。思わずふらっと覗いてみたくなる気持ちをがまんしつつ、結局当初予定より2時間近く遅い7:45発の太白行き市外バスに乗り込む私でした。

 

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本エントリーのタイトルにもあるように、今回の旅の主目的地はバスの行先である江原道の太白市ですが、ひとつ前の旌善(チョンソン)郡古汗(コハン)邑にある「古汗・舎北共用バスターミナル」で下車。東ソウル総合バスターミナルからはおよそ2時間半の旅。ちなみに名称中の「舎北」とは、ここ古汗邑と隣接する旌善郡舎北(サブク)邑のことで、名前の通り二つの自治体で分け合うようにほぼ中間地点に位置しています。

古汗・舎北共用バスターミナル(고한.사북공용버스터미널)

 

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ターミナルの建物の前には、なぜか若干くたびれ気味の鉄腕アトムの像が。韓国でも人気のアニメだと聞いています。

 

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ここ古汗・舎北共用バスターミナルには、地方の(それも郡部の)バスターミナルでは珍しくコインロッカーがありました。ただし残念ながら私のキャリーバッグは入らなかったため泣く泣くスルー。
韓国の地方の駅やバスターミナルではここのようにコインロッカーがあるところがむしろ珍しく、地方の旅をするにあたってはいつもその調査に時間をとられてしまいます。同じように韓国地方の旅を計画される誰かのお役に立てるべく、こうした韓国の地方の駅やバスターミナルのコインロッカー情報はこれからも積極的に発信してまいります。

 

古汗・舎北共用バスターミナルの前に並ぶタクシーに乗り込み向かったのは、同じ古汗邑内にある「三炭アートマイン」(삼탄아트마인)。

f:id:gashin_shoutan:20170131220042j:plainここは1964年に開山した炭鉱「三陟炭座」(삼척탄좌)が2001年秋に閉山となるまで実際に用いられた施設で、その後大改修を経て2013年にオープンしたものです。現「三炭アートマイン」のシンボルマークのモチーフにもなっている竪坑櫓をはじめ、操業当時の施設がほぼそのまま残されつつも、内部はかつての炭鉱時代の記憶とアートが共存する空間として生まれ変わっています。

 

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それでは施設内に入ってみましょう。  

 

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玄関と同じ4階にある、元・第1竪坑運転室。無数の計器が並ぶ機械の数々。こういうのを見てワクワクしないはずがありません。

 

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施設のところどころに往時をしのぶ壁画が描かれています。

 

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「アートマイン」の名の通りここはアート空間でありますので、芸術作品も展示されています。現代アートにアフリカの民族美術に兵馬俑と守備範囲はかなり幅広い印象。 

 

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施設内には、芸術家たちが実際に生活の拠点兼アトリエとして使用するレジデンス空間も設けられています。 

 

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操業当時(80年代)の従業員の入社願書(写真)や給与明細の実物まで展示されていたのはちょっとびっくりしました。

 

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粉塵で汚れた鉱夫たちの衣服をまとめて洗っていた大型洗濯機。その衣服で作られた人形が中から飛び出しているのがいかにもアート空間っぽいです。

 

f:id:gashin_shoutan:20170207222830j:plainかつての洗靴場は、妖しげな光を放ちつつ往時を記憶しています。 

 

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f:id:gashin_shoutan:20170207223825j:plainここ三炭アートマインは、昨年(2016年)にKBS2で放映され大ヒットしたドラマ『太陽の末裔』(태양의 후예)のロケ地となったことでも知られています。その撮影場所のひとつが、いまも天井にシャワーノズルの残るシャワー室。片隅には、ソン・ジュンギさん演じる主人公、劉時鎮(YOO SI JIN:ユ・シジン)大尉のネームの入った軍服とベレー帽が。記念撮影向けでしょうか(もっともこのシャワー室でのシーンにソン・ジュンギさんは登場しなかったようですが……)


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このほかにも施設内のいくつかの建物で撮影が行なわれたとのことで、玄関には案内板も用意されています。日本語がちょっと変なのはご愛嬌(^_^;)  

 

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屋外には写真のワインセラートンネルやレストランのほか、坑道入口など操業当時のいくつかの施設がありますが、ご覧の通り雪が積もっているためにあまり見て回ることはできませんでした(レストランも訪問当日は休業)。いつか雪のない時期に再訪したいですね。
エントランスでは、前述の通りコインロッカーに入れられなかったため持参した私のキャリーバッグを無料で預かっていただいたり、また帰り際にはタクシーを呼んでいただいたりと、至れり尽くせりの対応で好感が持てました。
この「三炭アートマイン」、午前9時より午後6時まで営業(入場は午後5時まで)。名節(旧正月・秋夕)と月曜日は休業。入場料は13,000ウォン(約1,300円)。古汗・舎北共用バスターミナルからだとタクシーで約15分程度、12,000ウォン(約1,200円)弱で到着できました。一見の価値ありです。

三炭アートマイン(삼탄아트마인:江原道 旌善郡 古汗邑 咸白山路 1445-44(古汗里 山216-1))

 

再びタクシーに乗って、今度はKORAIL古汗駅へ。三炭アートマインからは迎車料金込みで8,800ウォン(約880円)でした。残念ながらコインロッカーはありません。

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ここからムグンファ号に乗ること約20分。昨年(2016年)3月の初訪問以来およそ10か月ぶりに、今回の旅の主目的地である江原道太白(テベク)市の代表駅、太白駅に到着。
この駅、ハングル表記では「태백역」となるのですが、発音は「テベギョク」ではなく「テベンニョク」となるのですね。今回初めて知りました。  f:id:gashin_shoutan:20170207232132j:plain

f:id:gashin_shoutan:20170207231853j:plain駅につくやいなや私たち下車した客を迎えてくれたのは、ちょうどこの日が最終日であった「太白山雪祭り」のキャラクターさんたち。なごみます。

 

太白駅前はこんな感じ。わざわざ動画にしたのは、手前の温度計を撮りたかったから。 pic.twitter.com/pE2ZfTiXfI

— ぽこぽこ (@gashin_shoutan) 2017年1月22日

朝鮮半島を南北に貫く太白山脈のど真ん中にあり、低いところでも標高700mを超える太白の冬は厳しく、陽の当たる日中でも気温が氷点下を下回ることはざらです。私が到着したこの日の午後1時の気温はマイナス5℃。寒い。

 

f:id:gashin_shoutan:20170207232604j:plain太白駅には最新の指紋認証式のコインロッカーが。しかも私のキャリーバッグが余裕で入る大型サイズのボックスも。値段も4,000ウォン(約400円)/日とお手頃。
そそくさと荷物を預け、まずは駅前にある太白市外バスターミナルへ。ここから市内バスの4系統に乗り、15分くらいで到着する「桶里」(통리:トンニ)バス停へと向かいます。

 

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f:id:gashin_shoutan:20170207233311j:plain桶里バス停のすぐそばにある「ハン書房(ソバン)カルグクス」。タッ(鶏)カルグクス(닭칼국수)の名店として知られるお店です。店内のオープンスペースでは麺の手打ちも披露。

 

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f:id:gashin_shoutan:20170207233227j:plainf:id:gashin_shoutan:20170207233236j:plainそしてやって来た、タッカルグクス。骨ごとよく煮込まれた鶏のダシが効いたスープ。ホロホロに溶けた鶏肉が麺にからむ。なにこれ、超うんまい。しかもパンチャンの白菜キムチもまたうんまいという。
写真では分かりづらいですが、日本でのうどんやラーメンの大盛よりもボリュームがあって、7,000ウォン(約700円)という良心的価格。
こちらの「ハン書房カルグクス」、営業時間は9:30~21:00。第2・4月曜日は休業なのでご注意。太白を訪れた際にはわざわざバスに乗ってでも行くべき店です。 

 ハン書房カルグクス(한서방칼국수:江原道 太白市 江原南部路 468(黄蓮洞 69-41))

 

それでは、次回に続きます……

太白の旅[その1] - まずは前夜、ソウル鍾路3街でひとり、光化門に思いを馳せながら

長いこと更新ができてなくてすみません。

本来は前回予告した光州の旅の続きである春川の記事を書く予定だったのですが、いろいろあってこんな時期になってしまいました。
さて更新を再開するにあたって、やはり直近の旅を書く方がいろんな意味でモチベーションが上がると思ったので、あえて予定を変更することにしました。
8月の春川と加平の旅、9月の大邱の旅、そして10月の釜山と筏橋の旅については近日中に必ずや記事を更新したいと思います(写真は筏橋の「宝城旅館」)。

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そんなわけで今回は、いきなり今年(2017年)1月に出かけたソウルと江原道旌善郡古汗邑、そして江原道太白市の旅の記事からです。 

1月21日(土)、チェジュ航空で今年初の韓国入り。
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成田は快晴でしたが、到着したソウルは雪模様。なんでも今年いちばんの寒波が朝鮮半島を襲来したそうで(写真は弘大入口)。

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本当はこの弘大入口でどうしても訪問したいところがあったのですが、あいにく当日は休館。ひとえに私が下調べを怠ったのがいけなかったのですが……再訪を誓って、現地を後にすることに。

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 さてさて気を取り直して、ホームグラウンド(?)の鍾路3街のホテルへ。次の日は朝がかなり早い予定であったため、チェックインをそそくさと済ませ、さっそく街へと繰り出します。

最初に向かったのは、地下鉄5号線の鍾路3街駅のそばにある「ヘンボッカンチッ」(행복한집)。地方の特色あるマッコリを良心的価格で置いていることで知られ、鄭銀淑さんの著書『韓国ほろ酔い横丁 こだわりグルメ旅』などでも紹介されている名店です。

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ここで真っ先に頼んだのが、憧れの「ソン・ミョンソプマッコリ(송명섭막걸리)」。全羅北道・井邑(チョンウプ)にある泰仁醸造場にて、無形文化財保持者のソン・ミョンソプ名人の指導の下に造られるマッコリです。
特徴は何といっても、甘味料を使用していないので全く甘くないこと。なので飽きが来ずじっくりと飲めます。うんまい。パンチャンのホンハッタン(홍합탕:ムール貝のスープ)にも、そしておつまみに注文したコマク(正確にはセコマク(새꼬막):サルボウガイ)にもよく合います。
調子こいて、韓国の民俗酒第1号として知られる釜山の「金井山城マッコリ」(금정산성 막걸리)に、ジョン(チヂミ)まで注文してしまいました。これまたうんまい。
ここヘンボッカンチッは、平日は24時まで、金土は午前4時まで営業。日曜日はお休みとのこと。また訪れたいと思います。
ヘンボッカンチッ(행복한집:鍾路区 敦化門路11キル 20(通義洞 44))

 

とはいえまだまだお腹いっぱいにならないところが、食いしん坊の辛いところ。そこで次は、夏にも訪れたすぐ近くのカルメギサル(갈매기살:豚ハラミ)の名店・味カルメギサルへ行ってみましたが、あいにく当日は閉店準備中だったので、隣の「コチャンチッ」へ。もちろん注文はカルメギサル2人分(最低2人分からの注文なので)、お酒はカルメギサルと相性ぴったりのソジュで。

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こちらも味カルメギサルと同じく、換気口が真上になくとも焼肉の臭いが衣服につかない特殊な網を使用しています。特製のタレにつけたり、味噌と一緒にサンチュで巻いたりして食べる。こちらもまたうんまい。口にする度に目じりが下がります。肉は人を裏切りません。
この「コチャンチッ」は午前0時まで営業、第1・第3日曜日と名節(秋夕・旧正月)はお休みとのこと。

コチャンチッ(고창집:鍾路区 敦化門路11キル 7(通義洞 7))

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 ようやくおなかいっばいになって外へ出てみると、こんな雪の夜でもここ鍾路3街は屋台がぎっしりと軒を連ねる平常運転。わくわくしますよね。思わず「三度目の夕食」というワードが頭をよぎりますが、明日は朝が早いのでここは自制して宿へと戻ります。

明日は遠く離れた東ソウルバスターミナルを午前6時発のバスに乗車予定。果たしてちゃんと起きることはできるのか!?

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