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主に旅での出来事につき、ツイートでは語り切れなかったことを書いたりしたいと思います。

大邱の旅[201706_01] - 東城路(トンソンノ)近辺のスポット巡り、そしてまたあのひとに会いに

今回からは、本年(2017年)6月9日(金)から同月11日(日)にかけての大邱(テグ)広域市の旅をお届けします。

韓国有数の大都市である大邱広域市の人口はおよそ250万人。韓国では4番目ですが、3位の仁川をソウルと同じ首都圏として一体だと考えるならば韓国第3の都市と呼ぶべき存在です。市域の人口規模に加え、首都ソウルと第2の都市・釜山の間、それもやや第2の都市寄りに位置する点など、個人的には日本の名古屋と似ている印象があります。
大邱には名所・旧跡など観光地が無数にあり、また近年は商業施設も発達していますが、私にとって大邱といえば何と言ってもやはり「食都」。後述する「大邱十味」に代表される、他地域に類を見ない独特の食文化が花開いているからです。このあたりも名古屋に似ていますね。

大邱広域市では食都・大邱を彩る郷土料理の中でも特に代表的とされる10種のメニューを選定し、「大邱十味」(대구십미)と名付けて街の広報に広く用いています。
それではこれら「大邱十味」のうち、前回・2016年9~10月の旅で味わうことのできたメニューとその店を簡単に紹介したいと思います。

 

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「タロクッパ」(따로국밥)。
大邱十味の中でも筆頭格に挙げられる料理。一般的なクッパとは異なり、牛骨スープとご飯が「タロ」(따로:別々の意)で出されるためにこの名が付いたとされています。スープの中に「ソンジ」(牛の血を固めたもの)が入っているのが特徴。写真は都市鉄道(地下鉄)1号線「中央路」(チュンアンノ)駅近く、タロクッパの元祖とされる1946年創業の「クギルタロクッパ」にて。24時間営業。

クギルタロクッパ(국일따로국밥:大邱広域市 中区 国債報償路 571 (前洞 7-1))

 

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「ナッチャンマンドゥ」(납작망두)。
直訳すると「ぺたんこ餃子」の意で、タンミョン(春雨を太くしたような透き通った麺)などの具を包んだ平べったいクンマンドゥ(焼き餃子)。具以上に焼いた皮の香ばしさを味わえる一品です。写真は都市鉄道(モノレール)3号線「新南」(シンナム)駅近く、ナッチャンマンドゥの元祖とされる「ミソンダンナッチャンマンドゥ」にて。営業時間は午前10時~午後9時(週末は午後8時)、名節(旧正月・秋夕)休み。

ミソンダンナッチャンマンドゥ(미성당납작망두:大邱広域市 中区 南山路75-1 (南山洞 104-13))

 

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「マクチャングイ」(막창구이)。
牛の第四胃であるマクチャン(막창:日本でいうギアラ。直腸のマクチャン(막장)とは別)を輪切りにして焼いたもので、ビールやソジュ(焼酎)との相性が抜群の一品。テンジャン(韓国味噌)ベースのつけダレがまた絶品なのです。写真は都市鉄道(地下鉄)1号線「アンジラン」駅近くに広がる「アンジランコプチャンコルモク」(コルモクとは路地、通りの意)にある「アンジコプチャン」にて。営業時間は午前10時~午前4時、毎月第1・第3日曜休業。

アンジコプチャン(안지곱창:大邱広域市 南区 大明路36キル 63 (大明洞 872-9))

 

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「ヤキウドン」(야끼우동)。
日本の「焼きうどん」とは全く異なり、ウドン麺を海鮮などと一緒に唐辛子風味のソースで妙めた料理。辛いのですがやみつきになる、食べだしたら止まらない味。大邱では主に中国料理店で扱われています。写真は都市鉄道(地下鉄)1号線「中央路」駅近く、ヤキウドンの元祖とされる「中和飯店」(チュンファバンジョム)にて。営業時間は午前11時30分~午後9時、毎月第2・第4月曜休業。

中和飯店(중화반점:大邱広域市 中区 中央大路 404-11(南一洞 92)

 

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「ムンティギ」(뭉티기)。
ソジュに合う生肉料理として開発された大邱オリジナルの調理法で、いわゆるユッケとは異なり牛生肉を親指大の薄切りにして、ごま油・ニンニク・唐辛子粉のヤンニョム(調味料)に漬けたものです。風味に加えプリプリした食感がたまりません。写真は都市鉄道(地下鉄)1号線「聖堂(ソンダン)モッ」駅近く、「愉快なムンティギ」にて。営業時間は午後5時30分~午前2時、日曜定休。

愉快なムンティギ(유쾌한 뭉티기:大邱広域市 達西区 野外音楽堂路 3 (聖堂洞 830-1))

 

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「東仁洞チムカルビ」(동인동 찜갈비)。
1970年代初頭に中区東仁洞(トンインドン)に現れた料理で、一般的なカンジャン(醤油)ベースのカルビチムとは異なり、蒸した牛カルビを唐辛子粉とニンニクで味付けしたもの。年季の入った洋銀製の鍋に入って出てくるのが特徴。猛烈なニンニク風味とほどよい辛さは食べる者をとりこにします。写真は「東仁洞チムカルビコルモク」にある「鳳山(ポンサン)チムカルビ」にて。営業時間は午前10時~午後10時。
鳳山チムカルビ(봉산찜갈비:大邱広域市 中区 東徳路36キル9-18(東仁洞1街332-3))

 

以上の通り、前回の旅で味わうことのできた大邱十味は6種類。今回の旅で大邱十味を制覇するためには、2泊3日、およそ43時間の滞在時間の中で残る4種を口にできるかにかかっています。
前置きが長くなりましたが、それでは旅レポヘ。

 

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今回の大邱訪問に利用したのは、昨年(2016年)9月から就航したt'way航空の成田-大邱便。その同じ月に行って以来、およそ9ヵ月ぶりの訪問となります。
大邱国際空港は仁川・金浦・金海(釜山)の各国際空港とは異なり、軍民共用の空港です(NAVER地図Daum地図の航空写真でも森林に擬装されています)。そのため滑走路の撮影は禁止されており、着陸後には客室乗務員より毎回その旨のアナウンスがなされます。わずかながら緊張感が高まるひとときです。

 

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大邱国際空港に到着。日本発着便など国際線が増加の一途にある同空港ですが、リムジンバスはありません。その代わり空港ターミナルから徒歩約3分、ターミナル正面の道路を渡ってすぐの「大邱国際空港ゴンノ」(대구국제공항건너)バス停(写真)からは、大邱最大の繁華街・東城路(トンソンノ)方面へ向かう<급행(急行)1>番バスや東大邱大邱の両鉄道駅へ向かう<401>番バスなど、市の中心部へ向かうバスが頻繁に走っています。「ゴンノ」(건너)とは「向かい」の意で、道路を挟んだ向かい側にあることを示しています。

 

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一方、中心部からのバスが到着する空港寄りのバス停は「大邱国際空港アプ」(대구국제공항앞)。「アプ」(앞)とは「前」の意。このように大邱市内のバス停は、近隣の施設名の後に「アプ」と「ゴンノ」を付けたり、地名の場合だと後ろに数字を付けたりするなどして明確に区分されており、進行方向を問わず同一名称のバス停がほぼ存在しない点が特徴です。
それと写真右上にあるように大邱市内のバス停にはたいてい二次元コードQRコード)が表示されており、スマホでこれを読み取ると、次の便がそのバス停に到着するまでの時間が路線別にリアルタイム表示されるサイトにアクセスできます。ちなみに写真の「大邱国際空港アプ」はこんな感じ。いちいちアプリをダウンロードする必要がないのでとても便利です。今回の旅ではかなり重宝しました。

今回の宿は大邱駅のそばですので、ゴンノから401番バスに乗車します。

 

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大邱駅。現代百貨店が入居する立派な駅ビルですが、KTXは隣の東大邱駅に停車するためすべて通過します。
ホテルの部屋に荷物を置き、まずは最初の目的地まで散策を兼ねて歩くことに。

  

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最初にやって来たのは、大邱駅から南へ伸びる東城路を途中で左に入った場所にある、在来市場「校洞市場」(キョドンシジャン)前の道路で展開されている「校洞トッケビ夜市場」。「トッケビ」(도깨비)とは日本でいう「小鬼」に相当するもので、それっぼいキャラクターのイラストも。

 

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大邱の夜市場といえば西門市場(ソムンシジャン)のそれが有名ですが、こちらは大邱でも最初の夜市場であり、西門市場の先輩にあたります。とはいえ屋台は10台前後とずっと小さく、地域密着型のこぢんまりとした夜市場といった印象です。
「校洞トッケビ夜市場」の開催時間は毎日午後6時~午前0時。この日(6月9日)は金曜日でしたが、毎週土曜日の午後6時~午後9時にはフリーマーケットも開催され、いっそう賑わうようです。

校洞トッケビ夜市場(교동도깨비야시장:大邱広域市 中区 校洞キル 40 (校洞67-12) 一帯)

 

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続いて向かったのは、大邱随一のコミック専門店である「コミックプラザ」。
ソウル・弘大入口(ホンディック)の「BOOKSAETONG文庫」や釜山・西面(ソミョン)の「コミックセサン・ブックカルチャー」などと並び称されるこちらのお店では、日本のコミック・ライトノベルの公式韓国版や韓国作家によるそれら書籍を大量に扱うとともに、店内には交流スペースが設けられています。

 

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ちょうどこの日(6月9日)は韓国でも大人気のあのアニメこちらのキャラクターの誕生日であり、壁面はそのイメージカラーである紫色一色に染められていました。

 

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店内にはいたるところにフィギュアが。このあたりは日本のコミック専門店とは大きく異なるポイントです。ちなみに写真3枚目は今回購入した本。とうとう日本語版の最新刊に追いついてしまいました。

こちらのお店「コミックプラザ」の営業時間は午前11時(平日は午前10時)~午後9時。購入ごとにポイントがたまるポイントカードも無料で発行してもらえます。なお、以上の店内写真はすべて許可を得た上で撮影・公開しています。

コミックプラザ(코믹프라자:大邱広域市 中区 慶尚監営キル 184 (文化洞 6-2)) [HP]

 

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次に向かったのは大邱でも数少ない両替所「大信換銭」(テシンファンジョン)。ノボテルアンバサダー大邱の東側の隣にあるこちらのお店は好レートで評判がよく、前回(2016年9月)の大邱訪問でも利用したところです。
こちらのお店はサジャンニム(店主の意)が一人で運営しているらしく、営業時間中でも外出中には鍵がかかっていたりするのですが(前回訪問時がそうだった)、その旨と連絡先の携帯番号を書いた張り紙が今回はありません。よく見ると営業時間が短縮されたようで、この日(午後7時近く)はすでに閉店後。また今度来ることにしましょう。

大信換銭(대심환전:大邱広域市 中区 国債報償路125キル 6 (公平洞 9))

 

さらに南へ下り、「2.28記念中央公園」の北端、国債報償路(クッチェボサンノ)沿いにあるこの日最大の目的地へ。

 

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「平和の少女像」。
今年(2017年)春、大邱では2番目となる像がこの場所に設置されたと聞き、会いに来ました。
釜山・草梁(チョリャン)とソウルの「戦争と女性人権博物館」に続き、今年3度目の出会いです。足元には誰かが供えた花束がありました。

 

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少女が老いた姿である地面の影は、元「慰安婦」のハルモニたちの苦痛に満ちた人生を意味します。その影の心臓の位置にある白い蝶は、亡くなったハルモニたちの「転生」を意味するものです。

 

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釜山の像と同じく、その両サイドの地面には碑が埋め込まれています。向かって左側は「살구꽃 봉오리」(アンズの花のつぼみ)と題された詩が。右側は「平和の少女像」の意匠の持つ意味を解説したもので、釜山にあったものと同内容と思われます。

 

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像の隣には、付箋紙によるメッセージが無数に貼り付けられた木の造形物が。

 

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少女像は今日も静かに椅子にたたずみ、対面した相手の心をも射抜くようなその眼差しで、過去の戦時性奴隷制度と戦時性暴力被害の忘却を期する人々、そしてそれを看過する人々を見つめ続けています。

平和の少女像(평화의 소녀상:大邱広域市 中区 東城路2キル 80 (文化洞 20-1) 2.28記念中央公園)

 

在釜山日本総領事館の裏(前ではない)にある「平和の少女像」、そしてソウルの「戦争と女性人権博物館」については、以下の各エントリーにてそれぞれ紹介しております。こちらもあわせてお読みいただけますと幸いです。

 

それでは、次回のエントリーへ続きます。

 

ソウルの旅[201705_12] - 焚身した労働烈士を記念する「全泰壱橋」、そして鍾路のうんまいもの巡り

前回のエントリーの続きです。

韓国・光州(クァンジュ)広域市を中心に巡った旅の3日目(2017年5月22日(月))です。

 

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終点の龍山(ヨンサン)駅でKTXを下車、首都圏電鉄(地下鉄)1号線に乗り換えて鍾路3街(チョンノサムガ)駅に到着。情感あふれる酒場が無数にあって大好きな街です。タプコル公園近くの定宿にチェックイン。
時刻はすでに午後6時。どこかへ足を伸ばすには遅い時間ですので、今回は鍾路界隈の散歩に徹することにしました。地下には首都圏電鉄1号線も走るメインストリート、鍾路に沿って東へ向かいます(写真は西向きですが……)

 

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鍾路5街(オーガ)、ご存じ広蔵市場(クァンジャンシジャン)。大好きで何度も訪れている場所です。

 

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ユッケやピンデトック(緑豆チヂミ)などの名物で知られるこの市場、アーケード街の中央には無数の飲食屋台が果てしなく並び、終日賑わっています。2本のアーケードが交差するこの地点の写真は見覚えのある方も少なくないことでしょう。実際目の当たりにするともうすごすぎて、思わず笑いが出てしまいます。
ここでピンデトックで一杯引っ掛けたいところですが、今回はがまんしてさらに進みます。
ここからは少し南へ下り、公園化された清渓川(チョンゲチョン)沿いに歩きます。

 

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さらに歩いて、東大門(トンデムン)へやって来ました。
東大門といえばやはり東大門市場。その東大門市場を構成する複数の市場のひとつであり、衣料品を主に扱う平和(ピョンファ)市場のそばを流れる清渓川に、写真の橋がかけられています(この写真に限り2016年8月に撮影)

 

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ポドゥル橋、またの名を「全泰壱橋」。
1970年11月13日、劣悪な労働環境の改善を訴え平和市場の前にて焚身(焼身)し亡くなった労働者、全泰壱(전태일:チョン・テイル、1948-1970)烈士を記念する橋であり、中央には烈士の像が建てられています。
 

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全泰壱烈士は1948年8月26日、現在の大邱(テグ)広域市生まれ。2年後の朝鮮戦争勃発に伴い釜山へ避難した後、烈士の一家は1954年にソウルへ転居。このとき烈士は南大門(ナムデムン)の学校に通いつつ、新聞配達などで貧しい家計を助けます。
62年に生まれ故郷の大邱へ移り、翌63年にはチョンオク高等公民学校に通うものの家庭の事情により1年弱で退学、64年には再びソウルに戻ります。写真は昨年(2016年)10月の大邱訪問の際に撮影したもので、1枚目は中区(チュング)東山洞(トンサンドン)の全泰壱烈士の生家跡にある「全泰壱公園」、2枚目は同区南山洞(ナムサンドン)、烈士のチョンオク高等公民学校時代の住居跡です。残念ながら、いずれもその名称や事実を示す表示板はありませんでした。[参考記事]

 

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ソウルに戻った全泰壱烈士は1965年に研修工として平和市場の衣料商に就職し、転職を経て67年には裁断士となります。そうした中、1日約14時間労働に休日月2日という劣悪な条件、さらに低賃金で搾取されていた10代の女性工員たちに接し、平和市場初の労働運動組織「バボ会」を創立。自身も知ったばかりの「勤労基準法」(日本の「労働基準法」に相当)をそれら女性工員たちに知らしめる活動に取り組みますが、69年にはそうした活動を理由に職を追われます。このエピソードひとつ取っても、当時の韓国低所得層の労働環境がいかに劣悪であったかが実によく分かります。
その後平和市場に戻った全泰壱烈士は、労働の実態を市や労働庁などに訴えるべく1970年9月に「サムドン親睦会」を結成。平和市場の労働者へのアンケートをもとに、10月には陳情書をまとめ上げて労働庁に提出します。この提出が報道されたこともあり、労働庁は「労働条件は改善された」と公式発表をしましたが、実情は何ひとつ変化はありませんでした。

 

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そして運命の1970年11月13日、全泰壱烈士は平和市場前で勤労基準法の「火刑式」を挙行。「勤労基準法を遵守せよ」「我々は機械ではない」と叫ぶとガソリンを浴び、着火。「勤労基準法を遵守し、私の死を無駄にするな」との遺言を残し、その日の夜に22年の短い生涯を終えました。
この事件は当時の韓国社会に大きな波紋を投じ、労働者たちに労働運動を通じた権利闘争を呼び覚ますとともに、それまで労働問題に無関心だった知識人たちの目を向けさせる契機にもなりました。

 

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全泰壱烈士の死後、その母である李小仙(이소선:イ・ソソン、1929-2011)烈士は息子の遺志を継いで清渓被服労働組合の結成を指導。自ら労働運動の最前線に飛び込み、労働運動家たちを世話したことなどから「労働者の母」と呼ばれています。李小仙烈士については、ソウル・独立門(トンニンムン)の「西大門刑務所歴史館」を紹介したこちらのエントリーでも触れていますので、あわせてご一読いただけますと幸いです(パネルの写真も西大門刑務所歴史館にて撮影)

ソウル特別市は先日、ここ全泰壱橋から1.5kmほど離れた寛水洞(クァンスドン)に国内初の「全泰壱記念館」を来年(2018年)中にオープンすると発表しました。その際には必ずや訪問するつもりです。そして、京畿道(キョンギド)南楊州(ナミャンジュ)市の牡丹(モラン)公園の墓地で並んで永遠の眠りにつく、全泰壱・李小仙両烈士の墓にも。 

全泰壱橋(ポドゥル橋)(전태일다리(버들다리):ソウル特別市 鍾路区 鍾路5街 411-1)

 

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全泰壱橋から歩いて3分ほどのこちらの建物は「現代シティアウトレットモール東大門店」という商業施設です。

 

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こちらの建物は1996年、韓国初の政府指定試験卸売センター「居平(コピョン)フレヤ」としてオープン。開業当初は好調でしたが、通貨危機の影響による親会社の不渡りに加え、近隣に登場した「ミリオレ」や「Doota!」など後発組に押され徐々にフロアを縮小。1999年には「フレヤタウン」、2005年には「ファッションバレーチョンデムン」、2008年には「ケレスター」(写真は2011年に撮影したケレスター時代)など何度も改名を繰り返しつつも、2013年にはついに閉店。その後数年の閉鎖期間を経て、昨年年(2016年)春に現代シティアウトレットモールとして開業してからは安定した客足が続いているようです。経営者は異なるとはいえ、居平フレヤやフレヤタウン時代には何度か利用したことのある施設だけにほっとしています。

 

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そんな現代シティアウトレットモールの目玉であり、全国各地の名店の入居などで話題となった地下2階の飲食モール。その中でも特に注目の的となったのが、今回の目的地「イエローカフェ」です。
1974年の発売以来、韓国の人々に愛され続ける飲料「バナナ味牛乳」(바나나맛우유)、通称「バナナウユ」のコンセプトショップであるこちらのお店、すでに訪問済みという方もいらっしゃることでしょう。玄関横には巨大なバナナウユ、黄色で統一された店内にもあちこちにバナナウユの意匠が。

 

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今回注文したのはバナナラテ4,500ウォン(約450円)。おいしかったです。こちらのお店ではキーホルダーなどバナナウユのオリジナルグッズも販売されています(個人的にはバナナウユ以上に大好きなメロンウユももっと扱ってほしいところですが……)
イエローカフェ(옐로우카페:ソウル特別市 鍾路区 将忠壇路13キル 20 (乙支路6街 17-2) 現代シティアウトレットモール東大門店地下2階)

 

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そろそろお腹がすいてきたので、地下鉄で鍾路3街に戻ります。この時間になると路上にはたくさんの屋台が。以前に一度利用したことがありますが独特の雰囲気があって楽しいです。
さていよいよお待ちかねの夕食。ここ鍾路3街界隈は行きたい店の候補がたくさんあるので毎回迷ってしまいます。

 

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悩んだあげくやって来たのは、一見して飲食店とは思えないたたずまいのこちらのお店「ソウル食品」。鄭銀淑さんの著書『韓国ほろ酔い横丁 こだわりグルメ旅』に掲載されていた店で、ずっと気になっていたところです。

 

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こちらのお店は主に食品や雑貨を扱いつつ、その一角でお酒とおつまみを出してくれるという、俗に「シュポ」(슈퍼:スーパー)と呼ばれる個人商店です。そのため写真のようにカップ麺やスナック菓子に囲まれてお酒を飲むという奇妙な体験ができます。

 

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2つしかテーブルのない店内にはすでに1組の先客が。職場帰りと思しき男性たちが食べていたナクチ(낚지:テナガダコ)刺があまりにおいしそうだったので同じものを注文。ごま油ベースのダシが絶妙にマッチしてうんまい。こちらのお店ではジョッキの生ビールが飲めます。

 

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続いて『韓国ほろ酔い横丁 こだわりグルメ旅』でも紹介されていた茹でソラ(소라:サザエ)。こちらもうんまい。やや苦い肝もいいアクセントです。

 

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そして最後にクルジョン(굴전:カキのチヂミ)の「小」。ジョンとは言ってもカキ1粒ずつを衣で包んだものです。そろそろお腹もたまってきた頃合いで、まあ小だし6,000ウォン(約600円)だし大した量ではないだろうと高をくくっていたら、出てきたのはこの量だという。しかしこれがまたうまいのなんの。マッコリとの相性が抜群で、あっという間に完食。

 

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以上、料理3皿に生ビール3杯とマッコリ1本を飲んで料金はなんと34,000ウォン(約3,400円)というびっくり価格。酒類はソジュ(焼酎)を含めいずれも2,000ウォンという超破格値だからこその安さです。

こちらのお店「ソウル食品」の営業時間は午前8時30分~午後10時、日曜定休。首都圏電鉄(地下鉄)1号線「鍾路3街」駅15番出口から徒歩約2分(約150m)同3号線「乙支路3街」(ウルチロサムガ)駅4番出口からだと徒歩約4分(約250m)。店内の席が埋まっても露天席が用意されるようです。個人的に強くおすすめのお店です。近くまた行こうと思います。 

ソウル食品(서울식품:ソウル特別市 鍾路区 鍾路18キル 32 (寛水洞 102-1))

 

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この日はあまり深酒せずに、締めの冷麺へ。
鍾路から明洞にかけては冷麺の名店と呼ばれる店が点在しているものの、いずれも午後10時台までにはほとんど閉まってしまいます。そうした中で写真のお店「クテグチッ」は24時間営業、しかも冷麺がおいしいので、鍾路3街で飲む際にはいつも締めに通っています。
今回はピビン冷麺を注文。おいしいうえに麺をすするのを止めると容赦ない辛さが口中を襲うので一気に食べ尽くしてしまいます。 

クテグチッ(그때그집:ソウル特別市 鍾路区 水標路 123 (楽園洞 227))

 

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帰り道、妖しげな光を放つ楽園商街(ナグォンサンガ)の建物。

 

明けて旅の4日目、5月23日(火)。
この日は仁川発15時台のチェジュ航空で帰国予定。ソウル駅地下の空港鉄道乗り場、出国審査も受けられる「ソウル駅都心空港ターミナル」には出発3時間前までに荷物を預ければよいので、若干余裕があります。

 

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そんなわけでこの日の朝も鍾路界隈の散歩がてら、朝食目当ての店へ歩いて向かうことにしました。5月下旬、午前7時のソウルは気持ちよい涼しさです。写真はユネスコ世界文化遺産にも指定されている宗廟(チョンミョ)西側の塀沿いの小道、西巡邏ギル(서순라길:ソスルラキル)。とてもいい感じです。

 

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宗廟の北側、栗谷路(ユルゴンノ)という道路沿いにはこんな洞門もありました。

 

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首都圏電鉄(地下鉄)4号線「恵化」(フェファ)駅までやって来ました。ソウル大学校の蓮建(ヨンゴン)キャンパスに近いことから一般に「大学路」(テハンノ)と呼ばれる一帯です。実は18回目のソウル訪問にして初めて来ました(たぶん)。

 

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その大学路付近に店を構える、この日の朝食目当てのお店「スンデ実録(シルロク)」。
その名の通りスンデ(韓国式腸詰め)の専門店ですが、他に類を見ない特異なメニュー、しかも私が韓旅関連でチェックしている方々の評判も総じてよく、この日の朝食とした次第です。
今回は名物の「スンデステーキ」、14,000ウォン(約1,400円)を注文。

 

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そしてやって来たスンデステーキ。鉄板の上にはインパクト抜群のぶっといスンデ。意外と硬めの皮を適宜ナイフで切って食べます。
豚肉メインと思しき中身は日本の餃子のそれに近い風味ですが、いい具合に肉汁に浸っています。加えてパリパリした皮(腸)の歯応えと香りが絶妙。うんまい、そして白いごはんが欲しくなる味。すかさず1,000ウォンのコンギパッ(白米)を注文。スンデを先に切っておいて一緒に食べると幸せな気分になれます。

 

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メニュー表を見ると「伝統スンデ」や「スンデジョンゴル」、「1877シュンデ」など同じスンデでもさまざまなラインナップが。徹底したスンデへのこだわりが感じられます。今度は夜に訪問して、お酒を飲みながらいろんなスンデを味わってみたいものです。
こちらのお店「スンデ実録」は前述の通り24時間営業、年中無休。首都圏電鉄(地下鉄)4号線「恵化」駅1番出ロから徒歩約2分(約160m)です。 

スンデ実録(순대실록:ソウル特別市 鍾路区 東崇洞キル 127 (東崇洞 1-41)) [HP]

 

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スンデ実録を出て大学路を南下、前日も訪問した広蔵市場へ。まだ午前8時台なのでほとんどの店は閉まっていますが、目当ての店はすでに営業しています

 

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広蔵市場の奥深く、通路の中央にあるこちらのお店「モニョキムパッ1号店」の名物、その名も「麻薬(マヤク)キムパッ」、1人分2,500ウォン(約250円)。物騒なネーミングは一度食べるとやみつきになるとの意味で、他にも「麻薬パン」「麻薬トッポッキ」など韓国ではよく用いられる宣伝文句です。その名に違わずおいしいので自分用の土産として何度も購入しています。

 

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家に帰って1人分のパックを開いた写真。容器の形が残るほどキムパッがぎっしり。具に食肉を使用していないので検疫を気にせず日本に持ち帰ることができます。小袋は特製のつけダレで、カラシが効いてまたうんまいのです。

 

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こちらのお店「モニョキムパッ1号店」の営業時間は午前6時30分~午後8時、日曜日と名節(旧正月、秋夕)の当日と翌日は休みです。
最近は迷わずたどり着けるようになりましたが、市場の奥の分かりづらい場所にあるため簡単に紹介したいと思います。
首都圏電鉄(地下鉄)1号線「鍾路5街」駅から地下街を西(鍾路3街方面)へ進み、11番出口を出てすぐのところにある広蔵市場の広いアーケード入口(北1門)を入り、50mほど直進すると大きな衣類の積まれた陳列台が真ん中に並ぶ道と交差するので(写真1枚目。早朝なので陳列台の衣類は袋に入っています)、ここを右折します。この陳列台のある道を進むと、陳列台が途切れたあたりに店舗が現れます(写真2枚目)。この「31호(号)」と書かれたお店(写真3枚目)がモニョキムパッ1号店です。

モニョキムパッ1号店(모녀김밥:ソウル特別市 鍾路区 昌慶宮路 88 (礼智洞 2-1))

 

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時間が迫って来ましたが、もう1か所だけ行きたい場所が。
やって来たのはホテルからも近い益善洞(イクソンドン)。この街の一角、韓屋(한옥:ハノク)韓国/朝鮮様式の住宅)が立ち並ぶ「益善洞韓屋マウル」を訪問するためです。

 

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かつて益善洞166番地と呼ばれたこの一帯は1920年代初頭、朝鮮初の不動産開発業者とされる鄭世権(정세권:チョン・セグォン、1888-1965)氏により、韓屋が密集して建てられた場所です。同じく鄭世権氏が宅地開発を手がけた嘉会洞(カフェドン)31番地、現在は「北村(プクチョン)韓屋マウル」として知られる場所に先駆けて開発が始まったことから、益善洞は現存するソウル最古の韓屋マウルとされています。
嘉会洞には地主など富裕層向けの屋敷が建てられた一方、ここ益善洞には主に庶民向けの小型韓屋が建てられました。これらは狭い土地面積を有効活用できるよう「ロ」の字や「コ」の字形をし、また当時普及し始めた水道や電気にも対応していたことなどから「改良韓屋」と呼ばれています。
一時は再開発計画が持ち上がったものの、海外からの観光客増とこれに伴う商業エリアの拡大などもあって、現在もその姿をとどめています。

 

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手の入った韓屋と古めかしいままの韓屋が混在して建ち並ぶ風景、とてもよい雰囲気です。

 

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中には写真のように間口を解放し、内部立ち入り可の韓屋も。

 

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近年はおしゃれな飲食店やカフェなども多数開業し、一大観光スポットとなっています。首都圏電鉄(地下鉄)5号線「鍾路3街」駅4番出口からわずか徒歩1分という交通至便さも功を奏していることでしょう。とはいえ多くの方が生活されている地域ですので、ご訪問の際はお静かに観覧いただくようお願いいたします。

益善洞韓屋マウル(익선동 한옥마을:ソウル特別市 鍾路区 水標路28キル (益善洞)一帯)

 

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ホテルをチェックアウトしてソウル駅へ。都心空港ターミナルにて荷物を預け、最後にやって来たのは同駅の新名所「ソウル路7017」。

 

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ソウル駅をまたいで1970年に開通した自動車専用道「ソウル駅高架車道」を廃止し、歩行者専用の橋上公園に改装したもので、この日の3日前(5月20日)にオープンしたばかりの場所です。ネーミングの「7017」の由来は、70年開通の道路を17年にリニューアルしたから。高架橋そのものが観光スポットであるほか、新たに連結された周囲の建物や近隣地域への近道としても機能します。

 

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オープン4日目のこの日も多くの観光客が訪れていました。高架橋の上には植樹や池なども。写真はありませんが軽食のお店も設置されていました。

 

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ソウル駅の西側、空港鉄道の乗り場に近い15番出口とも連絡しています。

 

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いままで見たことのない角度からソウル駅旧駅舎(文化駅ソウル284)が撮影できます。

 

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わざと路面に穴を開けてガラスをはめ込み、下の地面や線路が見えるようにしているポイントも。

 

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無数の履物が積まれた「Shoes Tree」というアート作品(現在は撤去済み)。埋もれてしまった銅像の姜宇奎(강우규:カン・ウギュ、1855-1920)義士もさぞびっくりしたことでしょう。

 

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「ソウル路7017」は24時間年中無休で解放、公共の通路ですので利用料もありません。エレベーターもありますので車椅子やベビーカーの方も利用できます(この日は間に合っていませんでしたが……)。夜はライトアップされて、また別の楽しみ方ができるようです。 

ソウル路7017(서울로7017:ソウル特別市 中区 退渓路 (南大門路5街)一帯) [HP]

この後は空港鉄道で仁川国際空港へ移動、帰国の途に着いたのでした。

2017年5月の光州(&羅州・ソウル)の旅は、今回で終了となります。お読みいただきありがとうございました。
次回からは、2017年6月の大邱の旅をお送りします。

光州の旅[201705_11] - 2大在来市場の名物飲食をはしご、そしてさらば光州、また来る日まで

前回のエントリーの続きです。

gashin-shoutan.hatenablog.com


韓国・光州(クァンジュ)広域市を中心に巡る旅の3日目(2017年5月22日(月))です。

 

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南区(ナムグ)楊林洞(ヤンニムドン)にある「ペンギンマウル」の近くでタクシーをつかまえて、やって来たのは北区(プック)にある在来市場、マルバウ市場(シジャン)。
西区(ソグ)の良洞(ヤンドン)市場、東区(トング)の大仁(テイン)市場や南光州市場、そして光山区(クァンサング)の1913松汀駅(ソンジョンニョク)市場と並ぶ光州の代表的な在来市場のひとつです。
「マルバウ」の名は、「馬」を意味するマル(말)と、「岩」を意味するバウィ(바위)が変化したバウ(바우)が合わさったものが由来とされています。その理由として、1592年の壬辰倭乱豊臣秀吉による2度の朝鮮侵略)で活躍した金徳齢(김덕령:キム・ドンニョン、1567-1596)将軍の乗った馬の蹄の跡がついた岩があったから(アーケード入口の蹄鉄の絵はたぶんこれに由来)、あるいは馬のように大きい岩があり子どもたちが馬乗りごっこをして遊んでいたから、などの伝説が残されているそうです。

マルバウ市場(말바우시장:光州広域市 北区 瑞坊路81番ギル 27 (牛山洞 190-1))

 

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5日ごと、日付の末尾がnとn+5の日に市が開かれる五日市は韓国でも珍しくありませんが、ここマルバウ市場では倍の頻度となる末尾2・4・7・9の日に市が開催されます。この日(5月22日)もちょうど市の日であり、買い物客でにぎわっていました。この市で扱われるのは近隣の郡部で収穫された農産物が主で、小規模栽培のため他ではあまり見ない作物も販売されるとか。ゆっくり見て回りたいところですが、今回は時間に余裕がないうえ、目的の店の位置を調べて来なかったので急ぎ足にならざるを得ません。

 

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しばらく市場内をうろうろすると、マルバウ市場名物のひとつ、パッチュッ(팥죽:小豆粥)の店が並ぶ一角が。その中に目指すお店「草原(チョウォン)パッチュッ」がありました。

 

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注文したのは「パンバニ」(반반이)。「半々」を意味するこのメニューは、うどん玉に似たカルグクス麺入りの「パッカルグクス」に白玉入りの「冬至(トンジ)チュッ」という、パッチュッの中でも人気を二分するメニューをいっぺんに味わえるよう、白玉とカルグクスがパンバニ(半々)ずつ入ったものです。

 

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やって来たパンバニ。上に緑豆がふりかけられ、ところどころカルグクスが覗いている点を除けば見た目はまさしく日本のぜんざいそのもの。猛烈に甘そうな印象を受けますが、出てきた時点では砂糖を含む調味料が入っておらず一切甘くありません。
各テーブル上には砂糖と塩の瓶があり、好みで適宜混ぜて食べます。ぜんざいに長年慣れ親しんだ身としては塩少々と大量の砂糖を投入したい衝動に駆られますが、ここで砂糖を入れたら負けだと自分に言い聞かせつつ、まずは塩を振り掛けます。小豆に風味がついておいしくなりました。
そして小豆のスープが1/3程度になったところで満を持して砂糖を投入。うんまい。まさしくぜんざいです。ただし、うどん入りの。
こちらのお店「草原パッチュッ」の営業時間は午前9時(市の日は午前7時)~午後7時、公休日は休業とのこと。

草原パッチュッ(초원팥죽:光州広域市 北区 瑞坊路73番ギル 21 (牛山洞 185-9))

 

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マルバウ市場からは再びタクシーに乗って、今度はKTX光州松汀(ソンジョン)駅前の「1913松汀駅市場」へ。
こちらはその名の通り1913年、当時の「松汀里」(ソンジョンニ)駅の開業後まもなく駅前市場として誕生したものです。近年は他の在来市場がそうであるように衰退傾向にありましたが、昨年(2016年)にはこれを打破すべく市場全体をレトロ調に改装するプロジェクトを敢行。これを期して市場の名前にも開業年の「1913」を冠しました。遅い時間まで開く小洒落た飲食店も開業したこともあり、賑わいを取り戻しつつあるようです。

 

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「駅市場」を標榜するだけあって、市場内にはコインロッカーに加え光州松汀駅発の列車の電光掲示板まで。
こちらの市場、以前には夜間に訪れたこともありますが、よさそうな雰囲気の飲食店がいくつかありました。いつか2次会で飲んでみたいものです。まあぼっちだけどな!

1913松汀駅市場は第2月曜日が共通の休業日、第4月曜日は各店舗任意の休業日とのこと。この日(5月22日)はまさに第4月曜日でしたが、後述する「トア食パン」を含め割と営業していたように記憶しています。KTX光州松汀駅を出てから市場の入口まではわずか約200mという、まさしく駅前市場です。

1913松汀駅市場(1913송정역시장:光州広域市 光山区 松汀路8番ギル 13 (松汀洞 990-18))

 

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1913松汀駅市場を通り抜けた先に、こちらのお店があります。
昨年8月の光州初訪問を紹介した、記念すべき本ブログのファーストエントリーにも登場したこちらのお店、その名も「にっこにっこにー」(니코니코니)。言うまでもなく、映画が連日満員御礼となるなど韓国でも大人気のあのアニメのキャラクターの決めゼリフ(?)です。前回は営業時間外の訪問でしたので、本日2度目の昼食としてリベンジすることにしました。

 

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表の看板には「寿司専門店」とありましたが、メニューを見るとトンカスにステーキにチーズタッカルビと何でもあり。一瞬経営状況が心配になりましたが、こちらのパネルを見ると飲食デリバリーサイトの評価が「4.7」で「優秀業者」シールも貼られているので評判はよさそうです。

 

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店名からアニメのポスターやフィギュアが並べられたインテリアを想像していましたが、店内は至って普通でした。

 

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注文したのはモドゥムチョパッ(모듬초밥:寿司盛り合わせ)。お吸い物とデザートも付いてきました。普通においしかったです。
珍しくクラフトビールもあったのであわせてオーダー。写真2枚目の「g」のラベルのこのビールは韓国のオリジナルブランド「グァルネリ」(과르네리)IPAで、水と空気が発酵に適しているという全羅北道(チョルラブット)淳昌(スンチャン)郡のブルワリーで醸造されているとのこと。そういえば淳昌はコチュジャンの産地で有名ですよね。こちらのビールもおいしかったので、今後どこかで見かけたら注文しようと思います。
こちらのお店「にっこにっこにー」の営業時間は午前11時半~午後10時。列車待ちの間の軽食にいいかもしれません。

にっこにっこにー(니코니코니:光州広域市 光山区 桃山新松ギル 31 (松汀洞965-1))

 

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そろそろ列車の発車時刻ですが、あと1か所だけ寄り道します
1913松汀駅市場内にあるこちらのパン屋さん「トア食パン」。1913松汀駅市場でも有数の人気店であり、パンが焼きあがる時間には行列が形成されるとか。KTXの車内でもこの店の袋を持った人を複数見かけました。もっともこの日の訪問(午後2時50分くらい)ではすんなり入れましたが。

 

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人気商品の「ガーリッククランベリー食パン」というちょっと想像のつかない味のパンが目当てでしたが、あいにく見当たらなかったので「ブルーベリー食パン」を購入、光州土産となりました。写真2枚目はこの翌日、仁川国際空港で食べたブルーベリー食パン。おいしかったです。
トア食パンの営業時間は午前11時~午後10時、年中無休。1913松汀駅市場の光州松汀駅側入口から50mくらい進んだ左側にあるので分かりやすいです。

トア食パン(또아식빵:光州広域市 光山区 松汀路8番ギル 11 (松汀洞 990-10))

 

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そしてとうとう出発の時間。乗るのは15時07分発、列車番号「518」のソウル・龍山(ヨンサン)行きKTX。1980年の「5.18民主化運動」(光州事件)をメインテーマとした今回の旅の締めくくりに、これ以上ふさわしい列車はありません。

 

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通算50時間ほどの滞在となった今回の光州の旅では幸いにして、5.18民主化運動の史跡や関連施設をはじめ、当初予定の目的地のほぼすべてに足を運ぶ機会が得られました。また37年前の5.18の抗争期間と重なる日程を選んだことで、その犠牲となった人々を悼み記憶するとともに、暴虐に立ち向かった市民たちを称え後世に継承しようとする光州の人々の姿を目の当たリにする機会も得られました。そして最初のエントリーの冒頭にも書いたように、過去にないほどさまざまな人々との出会いを経験し、それら人々の親切に触れる機会までも得ることができました。これらひとつひとつの出来事への思いが強すぎて、気づいたらエントリー11回分に渡ってしまったのには我ながら驚いていますが。

 

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とはいえ未だ訪問できていない光州の名所・旧跡はまだまだ無数にありますし、一方で再び訪れたい場所もあります。大統領交代によりさらなる真相究明と被害者の名誉回復の機運が高まりつつある5.18への関心も日々強まるばかりです。
それに、南道の豊富な山の幸と海の幸に恵まれた光州のうんまい名物料理も食べ尽くせていませんし。
これからも私は光州を訪問し、拙いながらも本ブログにてその魅力を伝えてゆきたいと思っています。ご期待いただけますと幸いです。

2017年5月の光州の旅はこれで終わりですが、このときの旅レポは舞台を移してあと1回だけ続きます。
それでは、次回のエントリーへ。

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